旧両シチリア王国の王女たち、ピエール・カルダンのショーにモデルとして登場!

Culture 2023.09.29

南イタリアに19世紀まで存在していた両シチリア王国。その君主の子孫であるマリア・カロリーナ王女とマリア・キアラ王女が9月25日、ピエール・カルダンのショーにモデルとして登場した。

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ピエール・カルダン2024年春夏コレクションにマリア・キアラ王女とマリア・カロリーナ王女が登場。(パリ、2023年9月25日)photography: Stephane Cardinale - Corbis / Corbis via Getty Images

2023年9月25日、パリ19区のエスパス・ニーマイヤーでピエール・カルダンのファッションショーが開催された。セレブやインフルエンサーもやってきて、元ミス・ユニバースのイリス・ミトゥネールやコンテンツクリエーターのジョアン・パプズらの他、旧両シチリア王国の王位請求者であるカルロ・ディ・ボルボーネ=ドゥエ・シチリエ・カストロ公と妻のカミラ妃も姿を現した。同メゾンの会長、ロドリゴ・バジリカティ・カルダンは2024年春夏コレクションを開催するにあたり、カストロ公の娘2人、マリア・カロリーナ王女とマリア・キアラ王女をモデルとしてランウェイに登場させた。

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ピエール・カルダン2024年春夏コレクションでのマリア・カロリーナ王女。(パリ、2023年9月25日)photography: SAVIKO / Gamma-Rapho via Getty Images

ノートおよびカプリの女公爵の称号を持つ18歳のマリア・キアラ王女は、“宇宙的”なドレスでランウェイに登場した。同時に20歳の姉、マリア・カロリーナ王女も柔らかなブルーのドレスを空中でひらひらさせながら登場した。普段はふたりとも客として最前列に座っている立場なので、今回はひと晩限りのモデル体験となる。ファッション業界で働くことを夢見てイタリアで最古の服飾専門学校、イスティトゥート・マランゴーニのパリ校で学んだふたりのプリンセスにとっては貴重な初体験だったに違いない。

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ピエール・カルダンの2024年春夏コレクションでのマリア・キアラ王女。(パリ、2023年9月25日)photography: SAVIKO / Gamma-Rapho via Getty Images

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ターゲットはZ世代

2人の王女は2018年、フランスの人気テレビ番組「Ça commence aujourd'hui(今日から始めよう)」に出演したことがきっかけで世間に顔が知られるようになった。番組で、普通のティーンエイジャーのようにふざけることはあるかと尋ねられ、長女が「モナコではとても仲の良い友達が2人いて、ある日、木の後ろに隠れて人が通るたびに“ブー”って脅かしたことを覚えている」と無邪気に語った場面がSNSで拡散され、あっという間にカルトなシーンとなった。5年後の今もこの動画はTikTokで健在だ。

2人のプリンセスがピエール・カルダンのランウェイを歩いたのもそんな背景があってのことだろう。同メゾンでは2020年にデザイナーのピエール・カルダンが亡くなり、現在は孫甥のロドリゴ・バジリカティ・カルダンがブランドを率いている。クチュリエによるアバンギャルド性を継承する一方で、「画一性を嫌う若い層にもアピールしていきたい」とロドリゴ・バシリカティ・カルダンはファッションウィークへの復帰を発表した直後の年初に通信社のAFPに語っている。ファッションコードは変わらずとも、スタイルは時代と共に移り変わる。

text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr)

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