仕事が私にくれたもの:パオラ・パロネット アーティストのパオラ・パロネットとヴーヴ・クリコ。
Culture 2023.10.29
メゾンの色である太陽のようなイエローに合う、
雄大な自然を想起させる6色を選びました。
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フランスの老舗シャンパーニュメゾン、ヴーヴ・クリコから、アーティストとコラボレーションした「ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 2015×パオラ・パロネット」が発表された。今回、メゾンはイタリアの現代アーティスト、パオラ・パロネットを抜擢。ペーパークレイオブジェを得意とし、その独特の色みで色彩の巨匠とも呼ばれているパオラは、「ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 2015」のために6色の美しい色彩のギフトボックスをデザイン。
「本当に私が!? こんな素晴らしいことがあるの? と信じられず、何度も確認したくらいです」
そんなパオラが重要視したのは、色同士の対話。色の対話は、彼女の作品にとっても重要な部分だ。
「今回6色の箱を作ったのは、常に色の対話にこだわっている私からの希望です。メゾンの色である太陽のようなイエローに合う、ブルーやグリーンなど雄大な自然を想起させる6色を選びました」
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このプロジェクトに携わるため、パオラはメゾンの歴史や1805年より経営を担ったマダム・クリコについて、より深く知るためにフランスを訪ねた。その旅を通して、「自分自身がマダムと同じ時代を生きたような気になれた」と振り返っている。
「マダム・クリコのスピリットや大胆さ、そして強さに巻き込まれたような感覚でした。さらに彼女は、シャンパーニュ造りに欠かせない動瓶台、ピュピトルを発明したり、ロゼ シャンパーニュを考案したりと、とてもクリエイティブで革新的なアイデアにも富んでいた。そんなキャラクターは、今回のデザインの着想源にもなりました」
工房に籠り、粘土と向き合うことで、自分自身をより深く理解することができると彼女。それは、まるで瞑想をしているような感覚なのだとか。
「ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 2015をいただいた時にも同じような感覚に見舞われました。自分との深い繋がりを見出すことができた。特別なシャンパーニュを大切な人たちと楽しみたいと思います」
MHD モエ ヘネシー ディアジオ
tel:03-5217-9736
*「フィガロジャポン」2023年10月号より抜粋
text: Tomoko Kawakami photography: ©MHD