キャサリン皇太子妃、ティアラの着用方法が議論を呼んだ理由とは?
Culture 2023.12.01
キャサリン皇太子妃が11月21日、ロンドンでの公式晩餐会に出席した折に、ティアラを髪に着けていたことがプロトコル違反ではと話題になった。
バッキンガム宮殿で開催された公式晩餐会でのキャサリン皇太子妃。(ロンドン、2023年11月21日)photography: Lock Stephen / Lock Stephen/I-Images/ABACA
韓国のユン・ソクヨル大統領、キム・ゴンヒ大統領夫人をロンドンに迎えての公式晩餐会。キャサリン皇太子妃はイギリスのファッションデザイナー、ジェニー パッカムがデザインした白いドレスを着用した。ゴールドの刺繍をあしらったシンプルなデザインの服なだけにアクセサリー選びが重要になる。白いロンググローブにサテンのクラッチバッグ、エリザベス女王が所有していたイヤリング、そしてなによりも華やかなティアラ。このティアラが公の場に登場するのは1930年代以降のことだ。ただ、みんなが注目したのはティアラの位置。キャサリン皇太子妃はこれまでの伝統に倣って額につけるのではなく、髪につけていた。
バッキンガム宮殿でのキャサリン皇太子妃。(2023年11月21日) photography: Lock Stephen / Lock Stephen/I-Images/ABACA
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プロトコル違反?
19世紀末にイギリスでデザインされた「ストラスモア・ローズ」ティアラは、大変貴重なジュエリーだ。野バラをイメージしたダイアモンドの花がデザインされている。エリザベス女王の母であるクイーン・マザーことエリザベス王太后がイギリス王室に嫁いだ時に、彼女の父親が結婚祝いに贈ったものだ。1930年代、エリザベス王太后は最もプロトコルに適ったティアラの着用方法に従い、額に着けていた。エリザベス女王は2002年にこのティアラを母から受け継いだが、ずっと王室の保管庫に眠らせたままだった。
「ストラスモア・ローズ」ティアラを着けたエリザベス王太后。(1937年5月12日)photography: Keystone-France / Gamma-Keystone via Getty Images
キャサリン皇太子妃の着け方に関して結論を言ってしまうと、プロトコル違反ではないのでご安心を。伝統的なティアラは額につけるものだが、当時のロンドンを代表するジュエラー、キャッチポール&ウィリアムズによるこのモデルに関しては、さまざまな着用方法が想定されている。今回キャサリン皇太子妃がしたように、髪に着けることも許される。そのうえ、おまけ的な使い方までついていて、なんと分解すると5つのブローチになる。キャサリン皇太子妃はプロトコル違反を回避しつつ、このティアラを現代に甦らせた。God Save The Crown(神よ、クラウンを守りたまえ)。
text: Aurélia Charmy (madame.lefigaro.fr)