エリザベス女王の時代から最大の変革!? チャールズ国王、息子や孫たちに「ハグ」する。

Culture 2024.01.05

チャールズ3世カミラ王妃の治世の最初の1年を追ったBBCのドキュメンタリーは、家族に愛情深く接する国王の姿を捉えている。母のエリザベス女王とは根本的に異なるスタイルだ。

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伝統のクリスマス・ミサを終えたチャールズ3世。(サンドリンガム、2023年12月25日)photography: Getty Images

テレビカメラがイギリス国王の戴冠式を準備段階から追ったのは英国史上初めてのことだ。2023年12月26日にBBCが放送したドキュメンタリーでは、イギリスの君主が家族に愛情のこもった優しい態度で接する様子が映し出されている。そして、あるシーンが特にイギリスのマスコミの注目を集めた。

ウェストミンスター寺院での戴冠式のリハーサルに到着した国王は、すでに待機していた身内に挨拶した。チャールズ3世はまず長男のウィリアム皇太子に笑顔でハグし、次に嫁のキャサリン皇太子妃もハグ。皇太子妃は慌ててお辞儀を返した。国王はその後、孫のジョージ王子シャーロット王女ルイ王子を抱きしめた。

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チャールズ3世はウェストミンスター寺院での戴冠式リハーサルで、ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃、孫たちを抱きしめた。photography: BBCのスクリーンショット

ロイヤルファミリーの一挙手一投足をも見逃さない「デイリーメール」紙が指摘したように、「3代続いた君主のなかでもこれほど愛情深いしぐさは初めて見たと言う人が多い」

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身体的接触はほぼゼロ

チャールズ3世はハリー王子から愛情表現の少なさを非難されていただけに、このシーンに人々は驚いた。サセックス公爵は回顧録『Spare』の中で、「どんなに強い愛情の絆があったとしても、たとえば君主と子どもの間には、決して越えてはならない一線があった。あるいは王位継承者とその代理の間にも。その境界線は物理的にも感情の上でも存在した」と書いている。ハリー王子によれば、これは父親をはじめとするウィンザー一族のあいだでは当然のルールだった。「息抜きも許されなかったのはウィリーだけではなかった。上の世代には同様の禁止事項があり、身体的接触はほぼゼロ、ハグもキスも、ささやかな愛情表現もなかった。特別な機会に指先で頬を軽く撫でる程度だった」

現実はまったく異なるのだろうか?少なくとも、ヘレフォード司教のリチャード・ジャクソンは「テレグラフ」紙にそう語っている。「とても驚いたのは、彼ら(ウィンザー家)が非常に愛情深いことです。世代を超えてとても仲良しの家族であることは明らかです」

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エリザベス女王とは違う

BBCが放送したこのシーンに皆がびっくりしたのは、チャールズ3世の家族に対する愛情表現が、エリザベス女王のスタイルと完全に一線を画していたからだ。女王は家族に対してほとんど愛情の仕草を見せなかった。ちょっとした視線や微笑みで親密さを表現することがあっても、女王は極めて控えめだった。ハグやキスは彼女のガラではなかった。

母親とは対照的にチャールズ3世は即位以来、触れあいや共感に前向きの姿勢を見せている。要するに、より人間的なのだ。母親が亡くなった瞬間から、チャールズ3世は国民に寄り添い、群衆と出会うことをためらわない王になった。そうした機会に人々が君主に触れ、肩をつかみ、頬にキスすることも許すほどに。エリザベス女王時代には考えられなかった光景だ。

text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr)

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