見逃せない! 2024年、話題の展覧会10選。

Culture 2024.01.13

2024年も、気になる展覧会が多数開催予定。なかでも、注目の10選をまとめてご紹介! 世界的に活躍する日本人アーティストの個展や、まだあまり知られていない作家に焦点を当てたものなど、見逃せない展覧会情報を選りすぐりました。幅広いジャンルのアート作品に触れて、感受性を高める一年にしてみては?

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世界的に活躍する村上隆の、国内で約8年ぶりとなる大規模個展。

京都市美術館開館90周年記念展 村上隆 もののけ 京都』

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村上隆『雲竜赤変図《辻惟雄先生に「あなた、たまには自分で描いたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いたバージョン》』Ⓒ2010 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

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村上隆『⾦⾊の空の夏のお花畑』(参考画像)Ⓒ2023 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

「スーパーフラット」を提唱し、現代美術の最前線で活躍する村上隆。江戸時代の絵師たちが競い合うように絵画を生み出し、いまもさまざまな芸能と芸術が息づく京都に、キャリアの初期から深い関心を寄せていたという。
本展では、村上が京都に向き合って制作した新作や国内初公開作品を数多く公開。全⻑
12mにもおよぶ村上版「洛中洛外図」や、俵屋宗達の『風神雷神図屏風』を再解釈した作品などが展示され、四方には四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)の神獣をモチーフとした新作が配置されることで、村上版「平安京」が出現する。古い伝統を守りつつ、進取の気風に富んだ千年の都から、国際的なアートシーンに独自の視点で立ち向かってきた村上の新たな挑戦が始まる。

京都市美術館開館90周年記念展 村上隆 もののけ 京都』
会期:2/3(土)〜9/1(日)
会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
tel:075-771-4334

開)10:00〜17:30最終入場
休)月(祝日の場合は開館)
料)一般 ¥2,200
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20240203-20240630

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日本の美術館で初個展! 彫刻と詩で織りなす、簡潔で豊かな作品世界。

『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』

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カール・アンドレ 『メリーマウント』1980年 米杉の角材21本 (各)30.5×30.5×91.4cm (全体)183×91.4×183cm ポーラ・クーパー・ギャラリー © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York. Photo: Steven Probert

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カール・アンドレ 〈ユカタン〉より 1972/1975年 タイプライター用紙にコピー、26枚 (各)27.9×21.6cm 作家蔵 © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.

1960年代後半に興隆したミニマル・アートの代表的な彫刻家であるカール・アンドレ。木材、金属、石といった素材を工業製品のような同じ形と大きさに加工し、床に並置するスタイルで知られ、アメリカ、ヨーロッパなどの各地で、空間に合わせた規模の異なる作品を発表してきた。
また、詩を共通の趣味とする両親のもとで、幼い頃から詩に親しみを持ちながら育った彼は、読んでも眺めても楽しめる詩も手がけている。国内の美術館において初めてとなる本個展では、典型的な彫刻作品を大きな空間で展開しながら、
知る人ぞ知る詩を紹介。彫刻と詩という離れた表現が織りなすアンドレのユニークな作品世界を体感できる。

『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』
会期:3/9(土)〜6/30(日)
会場: DIC川村記念美術館
千葉県佐倉市坂戸631
tel:050-5541-8600(ハローダイヤル)

開)9:30〜16:30最終入場
休)月(4/29、5/6は開館)、4/30、5/7
料)一般 ¥1,800
https://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition-past/2024/carlandre/

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ルーマニア出身の有名彫刻家、念願の展覧会が開催!

『ブランクーシ 本質を象る』

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コンスタンティン・ブランクーシ 『接吻』1907-10年、石膏、高さ28.0cm、石橋財団アーティゾン美術館

20世紀彫刻を代表する作家として名を知られながら、まとまって作品を見る機会のなかったルーマニア出身の彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシの大規模な展覧会が、初めて国内の美術館にて開かれる。ロダンの影響を受けながらもすぐに離れ、独自の創作に取り組んでいったブランクーシは、野性的な造形と素材への鋭い感性に裏打ちされた洗練されたフォルムを追求し、「鳥」に代表されるような主題の抽象化を進めていく。パリのブランクーシ・エステートおよび国内外の美術館から集結する約20点の彫刻に加え、絵画や写真など計約90点で構成された展示から、後のイサム・ノグチらにも影響を与えたブランクーシの芸術のすべてを味わいたい。

『ブランクーシ 本質を象る』
会期:3/30(土)〜7/7(日)
会場:アーティゾン美術館 6階展示室
東京都中央区京橋1-7-2
tel:050-5541-8600(ハローダイヤル)

開)10:00〜17:30最終入場 ※5/3を除く金は19:30最終入場
休)月(4/29、5/6は開館)、4/30、5/7
料)日時指定予約制 ウェブ予約チケット¥1,800 窓口販売チケット¥2,000
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/572

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数々の日本画家に影響を与えた雪舟の国宝6件を見られる絶好の機会。

『雪舟伝説 ―「画聖(カリスマ)」の誕生―』

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重要文化財 四季花鳥図屏風 雪舟筆 京都国立博物館蔵 室町時代(15世紀) 通期展示

ひとりの画家としては最も多い6件の作品が国宝に指定され、日本美術史を代表する画家として高く評価される、ミスター国宝こと雪舟。少年時代に寺で叱られた雪舟が「涙でネズミの絵を描いた」というエピソードが江戸時代に語られるなど、古くから偉大な存在だと認識されてきた。
本展では雪舟の国宝6
件をはじめ、桃山時代の雲谷派や長谷川派、江戸時代の狩野派などの作品を展示。主に近世における雪舟受容を辿ることで、「画聖」と仰がれる雪舟への評価がどのように形成されてきたのかを検証していく。あの伊藤若冲も雪舟に学び、浮世絵の春画に雪舟画が登場。司馬江漢も雪舟に憧れていたなど、後世へ絶大な影響力を見せた雪舟の凄さが示される。

『雪舟伝説 ―「画聖(カリスマ)」の誕生―』
会期:4/13(土)〜5/26(日)
会場:京都国立博物館
京都府京都市東山区茶屋町527
tel:075-525-2473

開)9:00〜17:00最終入場
休)月(4/29、5/6は開館)、5/7
料)一般 ¥1,800
https://sesshu2024.exhn.jp

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複雑で繊細な感性を持つ芸術家・ダリに迫る!

『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』

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フィリップ・ハルスマン『サルバドール・ダリ』 1954年 諸橋近代美術館蔵 Photo by Philippe Halsman © The Philippe Halsman Archive

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サルバドール・ダリ『ダンス(ロックンロール):セブン・ライブリー・アーツより』1957年頃 諸橋近代美術館蔵 © Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR Tokyo, 2023 B0695

世界屈指のダリ・コレクションで知られる諸橋近代美術館の開館25周年を記念し、同館の所蔵品を中心とした大規模なダリ展が秋田、神奈川、広島、大分の美術館を巡回する。ダリの油彩、素描、版画、彫刻のほか、ミロやマグリットといったシュルレアリスムの作家の作品も展示。
ダリの生涯を辿り、渡米以降の活動に注目しながら、自らアイコニックな像を演出して大衆に見せたシュルレアリストな外面と、その背景にある複雑で繊細な人間的内面を探っていく。特定のスタイルや表現に限定されず、常に成長と進化を遂げていったダリがどのような芸術家であったのかが紐解かれる。

『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』
会期:4/20(土)〜9/1(日)
会場:諸橋近代美術館
福島県耶麻郡北塩原村檜原剣ケ峯1093-23
tel:0241-37-1088

開)9:30〜16:30最終入場
休)5/15、7/10
料)一般 ¥1,500
https://dali.jp/archives/exhibition/10057

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現代のフランス美術の牽引者が造る、夢のような世界観を体感。

『フィリップ・パレーノ展(仮)』

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フィリップ・パレーノ《My Room IS Another Fish Bowl》2022年
展示風景:ブルス・ドゥ・コメルス-ピノー・コレクション(パリ)、2022年
Courtesy the artist and Esther Schipper, Berlin / Paris / Seoul
© Phillipe Parreno
Photo © Andrea Rossetti

パリを拠点にするアーティスト、フィリップ・パレーノ。「岡山芸術交流2025」のアーティスティック・ディレクターを担うなど日本国内でも活動の幅を広げているが、まだよく知られているとはいえない。しかしポンピドゥ・センターやテート・モダン、ニューヨーク近代美術館にて個展を行うなど、現代フランス美術を代表する存在だ。
パレーノは
AIといったテクノロジーを採り入れながら、ピアノやランプ、ブラインドやバルーンなどのオブジェを操り、ダイナミズムと沈黙、ユーモアと批評性が交錯する状況を生みだす。本展では1990年代の初期作品から初公開のインスタレーションを紹介。箱根の美しい自然を背景に展開する、エレガントで詩的な空間に没入したい。

『フィリップ・パレーノ展(仮)』
会期:6/8(土)〜12/1(日)
会場:ポーラ美術館
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
tel:0460-84-2111

開)9:00〜16:30最終入場
無休 ※臨時休館あり
料)一般 ¥1,800
www.polamuseum.or.jp/exhibition/20240608c01/

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パリにいち早く進出したデザイナー、没後初めての大規模展覧会。

『髙田賢三 Takada Kenzo』

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ⒸHigh Fashion 1971年10⽉号 ⼤⻄公平撮影

日本人デザイナーとしていち早くパリに進出し、ファッション界の常識を打ち破るスタイルを次々と生み出した髙田賢三。「木綿の詩人」と賞賛されて注目を集めると、「衣服からの身体の解放」をテーマに、日本人ならではの感性を駆使した新しいアイデアのコレクションを行い、後進のデザイナーが世界へ進出する道を切り開く。
2020年に惜しまれつつ他界した髙田の没後初の大規模個展では、生まれ故郷の姫路と学生時代を過ごした東京を巡回。「色彩の魔術師」と呼ばれた髙田の変遷を衣装やデザイン画で辿るとともに、幼少期からのスケッチやインスピレーションの源泉となった資料、多くの人々との交流を示す写真などが紹介される。

『髙田賢三 Takada Kenzo』
会期:7/6(土)〜9/16(月)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
東京都新宿区西新宿3-20-2
tel:050-5541-8600(ハローダイヤル)

開)11:00〜18:30最終入場
休)月(祝日の場合は翌火
)、8/4
料)一般 ¥1,600
www.operacity.jp/ag

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国際的に活躍する塩田千春。出身地・大阪での大規模凱旋展!

『塩田千春 つながる(アイ)

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塩田千春 『The Eye of the Storm』 2022年
画像提供:バンコクアートビエンナーレ ©JASPAR, Tokyo, 2023 and Chiharu Shiota

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塩田千春 『巡る記憶』 2022年
写真:サニー・マン ©JASPAR, Tokyo, 2023 and Chiharu Shiota

ベルリンを拠点に国際的に活躍する塩田千春は、記憶や不安、夢などをテーマに制作を行う。「生と死」という人間の根源的な問題に向き合いながら、作品を通して「生きることとは何か」「存在とは何か」を問い続けている。
塩田が出身地・大阪で16年ぶりに開く大規模な個展では、パンデミックを経験した人々が否応なしに意識した他者との「繋がり」に、3つの【アイ】-「私/I」「目/eye」「愛/ai」を通じてアプローチ。インスタレーションを中心に、絵画やドローイング、立体、映像など多様な作品が公開される。糸を縦横に張り巡らせたインスタレーションで知られている塩田。天井高のある美術館の空間を生かした作品に期待が高まる。

『塩田千春 つながる(アイ)
会期:9/14(土)〜12/1(日)
会場:大阪中之島美術館5階展示室
大阪府大阪市北区中之島4-3-1
tel:06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)

開)10:00〜16:30最終入場
休)月
料)未定
https://nakka-art.jp

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生涯をかけて描き続けた、真の画家の全貌が明らかに。

『田中一村展 奄美の光 魂の絵画』

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田中一村『アダンの海辺』昭和44(1969)年 絹本着色 156×76cm 個人蔵 © 2024 Hiroshi Niiyama

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田中一村 肖像 © 2024 Hiroshi Niiyama

1908年に栃木県にて生まれ、千葉市で活動した後、50歳にして奄美大島へ渡り、南の島の花鳥や風土を題材にした日本画を制作した田中一村。世俗的な栄達から距離をおき、我が道を歩んで描き続けてきた作品は、生前ほとんど表立って公開されることなく、1977年にほぼ無名のままに没する。没後の1984年、NHKの「日曜美術館」で特集されたのを契機に注目を浴び、作品展が全国を巡回。2001年には奄美の地に、田中一村記念美術館がオープンし、'10年には千葉市美術館ほかで大規模な回顧展が開かれるなど人気を集めてきた。そしてついに今秋、東京で大回顧展が開催。最近の研究で発見された資料を含む約200点の作品によって、真実の一村の姿が明らかとなる。

『田中一村展 奄美の光 魂の絵画』
会期:9/19(木)〜12/1(日)
会場:東京都美術館
東京都台東区上野公園8-36
開)9:30〜17:00最終入場 ※金は9:30~19:30最終入場
休)月(9/23、10/14、11/4は開館)、9/24、10/15、11/5
料)未定
https://isson2024.exhn.jp

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再開館を遂げる三菱一号館美術館で堪能するフランス絵画。

『再開館記念―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル展(仮)

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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック『ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ』1891 年 リトグラフ 193.8×119.3 ㎝ 三菱一号館美術館蔵

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Sophie Calle Photographie d'Yves Géant

設備入替および建物メンテナンスによる長期休館を終え、11月に再開館する三菱一号館美術館。本展ではアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの版画・ポスターの表現に着目し、同館が所蔵するポスター32点を13年ぶりにすべて公開するとともに、フランス国立図書館所蔵のロートレック作品を紹介する。
またフランスの現代アーティスト、ソフィ・カルがオディロン・ルドンの『グラン・ブーケ(大きな花束)』に着想を得て制作した作品を世界で初めて公開するほか、代表的なシリーズ『なぜなら』や『盗まれた絵画』を含む約
40点を展示。2020年にコロナ禍でソフィ・カルの来日が叶わず中止となったコラボが、4年の年月を経てようやく実現する。

『再開館記念―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル展(仮)』
会期:11/23(土)〜2025/1/26(日)
会場:三菱一号館美術館
東京都千代田区丸の内2-6-2
tel:050-5541-8600(ハローダイヤル)

開)10:00~18:00 ※夜間開館等は美術館のWEBサイトにて確認を
休)未定
料)未定
https://mimt.jp/

editing: Harold

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