セレブの間で流行中の「モブ・ワイフ」メイクとは?

Culture 2024.02.09

ずっと大人気だったナチュラルメイクの対極にあるかのような新しいトレンドが急成長している。それはずばり、マフィアの妻たちの美学を取り入れたMob wifeメイク。ばっちりフルメイクというのが特徴だ。

スキンケアメイク、セカンドスキンの質感、ヌードトーン等々、コロナ禍とロックダウン以降、ナチュラルメイクが長らく主流となってきた。すっぴんメイク、クリーンルック......ネーミングは異なるものの、いずれもミニマリズムをベースとしている。さらにはファンデーションやメイクそのものを捨てて、イン&アウトのスキンケアで健康的な肌を志向する人もいる。

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純化へ向かう美学を信奉するナチュラルメイク志向に一石を投じるかのように、流れに逆行するトレンドが出現している。Mob wife(モブ・ワイフ)もそのひとつ。言うなればマフィアの妻、すなわち極妻メイクとでも言おうか。Mob wifeのハッシュタグはTikTokで約1000万ビューを記録した。アメリカではマーティン・スコセッシ監督の映画『カジノ』に登場するシャロン・ストーンや、テレビシリーズ「ザ・ソプラノズ」に登場するカルメロ・ソプラノやアドリアナ・ラ・セルバなどがお手本とされている。

彼女たちはひとつのライフスタイルを謳歌しながらも、あくまでも一般庶民であってハイソな世界とは違うところで生きていたりする。ニューヨークのナイトクラブを舞台にしたジェームズ・グレイ監督の映画『アンダーカヴァー』でエヴァ・メンデスが演じる役もこのタイプだろう。

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クワイエット・ラグジュアリーとは無縁のこのトレンドは、アニマルプリント、豪華な毛皮コート、派手な色がお約束。美容ルーチンは「モア・イズ・モア」の精神に則っている。ヘアはボリュームたっぷりで、カールとブローを多用すべし。ブロンドカラーも人工的な感じだ。

メイクアップに関しては、日焼け肌に仕上げるためのサンパウダーを使うことが推奨される。目はスモーキーで、爪は長く。大体の場合はつけ爪だが、目立つようにスクエアフレンチネイルや真っ赤なネイルにする。リップも派手色がマスト。唇の輪郭をペンシルで整えるなんてことはしない。口元はよく目立ってブリリアントでなければ。美容整形だってありだ。胸も唇もふっくらと。大きければ大きいほど格好がつく。

2024年、このトレンドを完璧に体現しているのは、ブロンドではない点を除けば、ジェフ・ベゾスの婚約者、ローレン・サンチェスだろう。少なくともいまのところは。

text: Justine Feutry (madame.lefigaro.fr)

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