英国のリシ・スナク首相、アディダスの大人気スニーカー「サンバ」を履いたことに物議？

アディダスの「サンバ」を履いて登場したイギリスのリシ・スナク首相は、いま最もクールなファッショントレンドのひとつを覆したようだ。

イギリスの首相が履いたことで、アディダスの大人気スニーカー「サンバ」が古臭くなった？ 4月2日、ダウニング街で行われる税制政策を宣伝するインタビューのため、リシ・スナク首相が「サンバ」を履いて登場した。これにはイギリス全体が騒然となった。

生活費の危機、家賃の高騰、経済不況などを忘れてしまったかのように、国民は首相の靴選びに対する怒りで、かつてないほど一致団結したように見えた。「アディダスの「サンバ」は今年最もクールな靴だったが、それもリシ・スナク首相が手に入れるまでのことだった」と、イギリスの新聞『オブザーバー』はツッコミを入れた。

アディ・ダスラー（本名アドルフ・ダスラー、アディダスを創業したドイツ人起業家）が1949年に考案したモデル「サンバ」は、この1年、ストリート、インフルエンサー、銀行家、スターやあらゆるシーンで流行している。ハリー・スタイルズ、ケンダル・ジェンナー、ベラ・ハディッド、リアーナなどは、このトレンドを取り入れたセレブの一部にすぎない。ファッションアイテムの検索エンジン「Lyst」によると、「2022年に爆発的な売れ行きを見せ、SNS上で流行したこのスニーカーの検索数は同年に350％増加した」と『ニューヨーク・タイムズ』紙は報じている。

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「サンバファン」への謝罪

しかし、イギリスの保守党首相とアディダスの「サンバ」の組み合わせが、この靴ブームの終焉につながるのだろうか？ ひとつ確かなことは、今年最もクールなスニーカーがたちまちクールさを失ったということだ。実際、リシ・スナク首相は「サンバファン」に対して謝罪しそうになるほど大きな騒ぎとなった。43歳の首相は、「私の弁明として、長年に渡ってアディダスのスニーカー、特にサンバやほかの種類を履いてきたと言わせていただきたい」と述べ、「Everlane（エバーレーン）のフーディーとPalm Angels（パームエンジェルス）の厚底シューズもお気に入りだ」とロンドンのラジオ局LBCで語った。

しかし、よりカジュアルなスタイルを選ぶことで、より親しみやすいリーダーとして見せようとする政治家は、リシ・スナク首相が初めてではない。エマニュエル・マクロン仏大統領のフード付きトレーナー姿や、ガブリエル・アタル仏首相のジーンズと白いトレーナー姿、ジョー・バイデン米大統領のホカのスニーカーなどが挙げられる。

「リシ・スナク首相は、イギリスで人気のスニーカーを"台無し"にしたことで、選挙ではないにせよ、少なくともネット上で、分裂した国をまとめることにようやく成功したと自分を慰められるかもしれない。勝利は勝利」と『ニューヨーク・タイムズ』のジャーナリスト、エリザベス・パトンは、皮肉を込めて述べた。改めて、ファッションが政治的であることの証である。

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