芸術の秋、映画館で歌舞伎やオペラを楽しむなら？

「いつかは生で観劇してみたい！でも、初心者がいきなり劇場へ行くのはハードルが高い......」バレエやオペラ、歌舞伎や宝塚、クラシックのコンサートなど、興味があっても、なかなか最初の一歩を踏み出せないのが、舞台芸術の数々。

かく言う私もまさにそうでした。でも、バレエ＆歌舞伎フリークの先輩にすすめられて知ったのが、映画館で楽しめるプログラムの存在。これがなんとも快適、かつ、おひとりさま観劇にもぴったりで、いまではすっかり常連に。

慌ただしい毎日にこそ、本物のエンターテインメントが重要。スマホの動画配信も手軽で便利だけど、時には大迫力のスクリーン、そして気軽に観に行けるイベントで、芸術の秋を楽しもう。

役者の息づかいまで聞こえそう！ 名演を解説付きで楽しめる「シネマ歌舞伎」

まずは日本が誇る伝統芸能、歌舞伎。歌舞伎座や新橋演舞場の目と鼻の先にある東銀座の老舗映画館「東劇」ほか、全国各地の映画館で楽しめるのが「シネマ歌舞伎」の「月イチ歌舞伎」。

「シネマ歌舞伎」は、歌舞伎公演を主催する松竹株式会社が、実際の舞台公演を高性能カメラで撮影。まるで歌舞伎座の特等席で観劇しているかのような臨場感と物語への深い没入感が味わえるこだわり抜いた音響、そして俳優の息遣いや表情、衣裳の細やかな刺繍まで見ることができる"映像美"が堪能できる。

加えて、演目に登場する人気俳優たちのインタビューや普段は観られない稽古の様子など、「シネマ歌舞伎」だけの特典映像が上映される作品も。チケットの買い方は通常の映画鑑賞とまったく同じ。観に行きたい映画館のオンライン予約や、当日券を買って観られるのでとっても気軽。

気になる今月の演目は『連獅子（れんじし）』。
わが子を谷底に落とし、這い上がってきた強い子だけを育てる、という獅子の伝説に基づくストーリーと、親子が揃って紅白の長い毛を豪快に振るクライマックスで知られる歌舞伎や日本舞踊の名作だ。

しかも今回は、映像を山田洋次監督が手がけ、名俳優 故・中村勘三郎さんと、中村勘九郎さん・七之助さんの親子競演が観られるとっても貴重な機会！

ちなみに歌舞伎の公演では、お芝居に合わせて音声で同時解説してくれる「イヤホンガイド」があるが、「シネマ歌舞伎」でも利用できるのが、初心者に嬉しいポイント。自分のスマホで利用できて、あらすじや歌舞伎ならではの演出、しぐさや衣装などに込められている意味などを教えてくれる。無料の専用アプリをダウンロードすれば、演目ごと手軽に購入できるので活用してみて。

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座った席がニューヨークの名劇場・METの最前列！「METライブビューイング2024」

「MET」と聞くと、ファッションフリークなら毎年5月の「メットガラ（Met Gala）」を思い出すけれど、ここで紹介したいのは、世界最高峰とも言われるオペラハウス、ニューヨークのメトロポリタンオペラ、通称「MET」。

1966年にリンカーン・センターのエリアに開場。約4,000席もの大空間で日夜繰り広げられるオペラの名演が、なんと日本の映画館で楽しめてしまうという夢のプログラムが、「METライブビューイング」。

まるでニューヨークから生中継されているかのような臨場感で、世界のトップ歌手たちの夢の競演、最高のオーケストラ、刺激的な演出の数々が楽しめる上、幕間には出演歌手や指揮者のインタビュー、普段なら絶対に観られないバックステージの様子も映し出される。映画館という身近な空間で、ニューヨークのオペラを特等席で堪能できてしまう、という贅沢さは格別なのだ。

しかも現在は、過去の上映作品の中から選りすぐりの人気作を一挙に上映する「METライブビューイングアンコール」が開催中。モーツァルトの『魔笛』、プッチーニの『蝶々夫人』、ビゼーの『カルメン』など、一度は観てみたい超有名作も上映予定。何より超一流のオペラ公演には、一目観ただけで誰もがきっと魅了されてしまうはず。ぜひ一度味わってみて。

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バレエに宝塚、クラシックまで！ 日比谷の街で楽しむイベント「HIBIYA CLASSICS 2024」

最後は、バレエや宝塚歌劇、クラシックコンサートなど、選りすぐりの生演奏やステージが劇場の街・日比谷で楽しめるイベント「HIBIYA CLASSICS 2024」をご紹介。東京ミッドタウン日比谷で、9月12日（木）から9月16日（月・祝）までの5日間、無料で開催される。

無料といっても、プログラムはとっても豪華！ 日本を代表するバレエ団のひとつ、NBAバレエ団のバレリーナ6名による『眠れる森の美女』ショートステージや、宝塚歌劇団の卒業生 和海しょうさん、透水さらささん、春花きららさんによるスペシャルステージとトークセッション、国際的に活躍する若きヴァイオリニスト、和久井映見さんとピアニスト、アレクセイ・シチェフさんによるコラボレーション演奏や、裏声を駆使して高音域を歌うカウンターテナー、村松稔之さんのステージなど......どれも見逃せないものばかり。

さらに「HIBIYA CLASSICS」と同時開催される、オペラのパブリックビューイングも必見！

なんとイタリアが誇るオペラ界の巨匠リッカルド・ムーティ氏自らが指揮する来日公演が、日本で初めて無料で観覧できてしまうという貴重な機会「三井不動産 presents イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol.4 パブリックビューイング」が、9月14日（土）、16日（月・祝）に予定されている。本イベントに関するすべてのプログラムの詳細は特設ページで確認して。