歩くことは学ぶこと? 13人のクリエイターが、それぞれの視点で「歩くこと」から得た物語とは?
Culture 2025.04.30
外歩きが気持ちのいいこの季節に、ぜひ手にとってほしい一冊『TRAIL LEARNING - 未知を拓く冒険「歩く」』が5月5日に刊行。

歩くことの可能性を再認識し、歩きながら学ぶことで自分の物語を紡ぐーー。本書は世界初の「TRAIL LEARNING(トレイル・ラーニング)」がコンセプト。レベッカ・ソルニットの『ウォークス 歩くことの精神史』(左右社刊)が示すように、歩くことは単なる移動手段ではなく、思考や創造性を深める行為。古代ギリシャの哲学者は歩きながら議論を重ね、巡礼者は旅を通して自分と向き合ってきた。かのスティーブ・ジョブズも歩きながら自伝作者のウォルター・アイザックソンと対話を重ねたエピソードが有名だ。私たちもまた、歩くことで新たな洞察を得てきた。散歩中に新たなアイデアがひらめいたことがある人も多いはず。
本書を手掛けたのは、ルーカス B.B.(『PAPERSKY』編集長)と田口康大(3710Lab代表)。ルーカスは日本各地を旅する中で「自分で道をつくる」発想から、静岡県焼津市を起点とする「KATSUO TRAIL(カツオトレイル)」を生み出した。一方、田口は「海と自分とのつながり」をテーマに70以上の海洋教育プロジェクトを展開。このふたりの対話から「歩くこと」と「学ぶこと」を結びつける本書のコンセプトが生まれ、日本財団の助成のもとでプロジェクトが立ち上がった。
本書には写真家・石川直樹、建築家・工藤桃子、デザイナー/アーティスト・本多沙映、歌人・伊藤 紺をはじめとする13名のクリエイターが登場し、それぞれの視点で「歩くこと」の魅力を紐解く。
歩くことで得られる気づきやインスピレーションを体感し、自分自身と向き合う。歩みを進めることで広がる世界の中で、新たな学びと発見を楽しんでみて。
text: Natsuko Kadokura