オディロン・ルドンに、アンゼルム・キーファーまで、いま行くべき展覧会4選。

Culture 2025.05.09

黒色のイメージから、色彩豊かな作品世界へ。

『PARALLEL MODE:オディロン・ルドン―光の夢、影の輝き』

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フランス・ボルドーに生まれ、異形のものたちが登場する神秘的で奇怪ともいえる幻想のイメージを、黒色の木炭画と石版画で表現した作品で知られる近代絵画の巨匠オディロン・ルドン。1890年代以降はパステルや油彩に移行し、花や神話、宗教、人物などを色彩豊かに描いた。キャリア後半には装飾画に着手し、より理解しやすい主題を手がけるようになる。本展は、同時代のモダニズムの諸相と接しながら、独自の表現を見いだしたルドンの豊穣な画業の全容を紹介する。

『PARALLEL MODE:オディロン・ルドン―光の夢、影の輝き』
会期:開催中~6/22
会場:パナソニック汐留美術館
050-5541-8600(ハローダイヤル)
開)10:00~17:30最終入場 ※5/2、6/6、20、21は19:30最終入場
休)水 ※6/18は開館
料)一般¥1,300
https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/25/250412/

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未来の新たな生態系と、理想の場所をめぐる考察。

『ニュー・ユートピア──わたしたちがつくる新しい生態系』

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開館5周年を記念し、私たち自身が創造主となる新しい生態系と未来に求める理想の場所について考える展覧会。若い作家たちの作品と、太古より津軽地方に伝わる人間の営みに関連した作品を織り交ぜた展示を2期にわたり展開する。なかでも食べ物など異物を取り込む身体を起点に神話的なイメージを描き出す川内理香子、外来種を含む動植物が生息する水槽を繋いで循環させ、新たなシステムを作り出す渡辺志桜里など、注目の女性作家たちの新作に期待が高まる。

『ニュー・ユートピア──わたしたちがつくる新しい生態系』
会期:1期:開催中~7/7 2期:7/11~11/16
会場:弘前れんが倉庫美術館
0172-32-8950
開)9:00~16:30最終入場
休)火、5/7、7/9、10、9/24
料)一般¥1,500
https://www.hirosaki-moca.jp/

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画家が見つめ続けた、親密ないのちの輝き。

『めぐる いのち 熊谷守一美術館40周年展』

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身近な生きものを愛し、晩年は鮮やかな色彩とはっきりした輪郭線が特徴的な独自の画風を展開した画家・熊谷守一。守一が亡くなるまで45年暮らした家の跡地に立つ美術館で彼が描いた家族の肖像が一堂に会す。4歳で亡くなった我が子を描いた『陽の死んだ日』、娘の弔いから帰る家族を描いた『ヤキバノカエリ』、初期の父母の肖像や、のちに妻となる女性を描いた『某夫人像』のほか、動植物を描いた代表作を展示。家族と過ごした場所で画家が見つめたいのちの輝きを味わいたい。

『めぐる いのち 熊谷守一美術館40周年展』
会期:開催中~6/29
会場:豊島区立 熊谷守一美術館
03-3957-3779
開)10:30~17:00最終入場
休)月
料)一般¥700
https://kumagai-morikazu.jp/

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「戦争」を包括的に、直視してきた芸術家。

『アンゼルム・キーファー:ソラリス』

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昨年、ヴィム・ヴェンダース監督によるドキュメンタリー映画が公開され、80歳を迎えてなお精力的な活動が注目される作家の大規模な個展。1945年終戦直前に生まれ荒廃した戦後ドイツで育ったキーファーは、常に「戦争」というテーマに極めて包括的な視点から問いを投げかけてきた。哲学や文学、神話、宗教から強く刺激を受けたキーファーの作品は視覚的・物質的に重層的なレイヤーが重なり合い、複雑に連関することで、そのダイナミズムが観るものを圧倒し深い内省へと誘う。

『アンゼルム・キーファー:ソラリス』
会期:開催中~6/22
会場:京都 二条城
kieferinkyoto@convention.co.jp
開)9:00~16:00最終入場
無休
料)一般¥2,200+二条城入城料¥800
https://kieferinkyoto.com/

*「フィガロジャポン」2025年6月号より抜粋

text: Chie Sumiyoshi

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