牡牛座の空模様-石井ゆかりの星占い「2026年の年報」

Culture 2025.12.31

2026年 牡牛座の空模様

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「絶対にやめられないし、やめたくない」。
そう思っていたタバコを、やめた人がいます。
その人にとってタバコを吸うということは、アイデンティティに関わることでした。
しかしある病気にかかり、タバコを吸うとどうしても咳き込んでしまうようになって、やめざるを得なかったそうです。
実際にやめてみたら、その人は「やめても大丈夫だった」と言いました。
やめたら自分が自分でなくなる、と思い込んでいたけれど、そうでもなかったと気付かされたのです。
経済的にとても余裕が出た、と笑っていました。 

生活や人生においては、自分として「これでなければならない」ものが存在します。
人間関係とか、居心地とか、習慣などの上で、合理的か非合理かにかかわらず「どうしてもこうでなければならない」というものはあって、それはある意味、どうしようもないものです。
ただ「本当にそれがなければ『ダメ』なのか?」という点は、実は、やってみないとわかりません。
試しに取り除いてみないとわからないのです。
「これを外したらどうなるか?」
「このスイッチを入れたら/切ったらどうなるか?」
それを実験してみてはじめて、外していい部品かどうか、切っていいスイッチかどうかがわかります。

2018年頃から貴方は、そんな実験を繰り返してきたのではないでしょうか。
現実は、合理と非合理がごちゃごちゃに絡まったカオスのようなものです。
あっちを切ったらこっちが絡まる、といった現象もよく起こります。
真に現実的な合理性とは、必ず非合理な部分を含んでいるものなのかもしれません。
これまで、貴方はどの非合理が不要で、どの非合理が必要だったのか、それを試し続けてきたのだと思います。
その作業は、かなり疲れるものだったはずです。
試行錯誤の「試」は、試験の「試」です。
テストが続けば誰でも疲れます。
試すのは、緊張を伴い、疲れるのです。

その試行錯誤のプロセス、こころみの時間が、この4月末に収束します。
これを解放と感じる人もいれば、着地と感じる人もいるでしょう。
いずれにせよ、肩の荷が下りるのは確かです。
そして同時に、2018年以前の自分と比べると、はるかに身軽に、自由になっていることがわかります。
ここまでに貴方が実現したものの名前は、「自由」です。

この自由の中で、貴方は今度は、自分にさまざまなことを命じるようになります。
つまり、選んだり、決めたりすることになります。
選んだり決めたりするために、心ゆくまで悩めます。
たとえばお風呂に入りたい自分がいて、一方それが面倒で、すぐに眠りたい自分もいたりします。
出かけて楽しみたい自分と、出かけるのがおっくうで、家にいたい自分とがいたりします。
どちらを選んだら本当に「自由」なのでしょうか。
自由とは、思い切り迷えるということです。
そして自分で決められるということです。
だから自由は、放棄も浪費もできます。
自由を放棄する自由もあるわけです。

何が本当に自分の自由なのか、それを考えるためには、学ぶ事も役に立ちます。
2026年前半は学びの時間で、コミュニケーションの時間でもあります。
多くを学び、多くを語り合って、どう迷えばいいか、どうすればいちばんいいものを自力で選べるか、それを見つけ出せます。
学ぶということは、正解を覚えることだけでなく、答えを見つけるためのやり方を身につけることです。
それはつまり「迷い方を覚える」ということなのかもしれません。
大人になってからは特にそうで、知識は道具や手段に過ぎません。 

年の後半は、居場所を作る時間に入ります。
新しい家族ができる人、家庭を持つ人もいるでしょう。
あるいは自分だけの居場所を探す人、場所ではなく、自分の「時間」を確保する人もいるはずです。
場を作ることも、場を構成する人間関係を織り上げることも、どちらも一朝一夕にはできません。
引っ越しした瞬間、そこが居場所になるわけではありません。
時間と体験を積み重ねて、初めて「場」が生まれます。
同じく、他人同士が時間と体験の共有を積み重ねて、初めて「身内」になれます。
居場所を作ってゆく、とは、そういう作業です。
この6月末、時間と手間をかけて、あたたかな場を作っていくプロセスに入ります。

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[時期について]

1月は旅と学びの時間です。今年は特にダイナミックな冒険ができそうです。
コミュニケーションの輪が広がり、多くの対話を重ねていけるでしょう。
遠方への旅だけでなく、近い場所にもフットワークよく飛び回って、多くを得られます。

1月半ばから3月頭は、非常に忙しい時期となっています。野心に火がつき、ガンガン勝負に出る人が多いでしょう。対外的な活動に勢いが出ます。目標がある人は、ここで一気に達成できるかもしれません。

1月末から2月は大きな転機でもあります。特に、これまで友だちとの関係に問題を抱えていた人、仲間の中にあって孤独感を味わってきた人は、その状況から抜け出せそうです。
人間関係においてなんらかの努力を重ねてきた人は、その努力がここで報われます。
未来への不安や心配事も、この辺りまでになんらかの形で解決する可能性があります。

2月から4月前半は、交友関係が一気に広がる時期です。友だちが増えますし、懐かしい仲間との再会もあるでしょう。
また、たとえば異動や転職などで、周りの人間関係が一変するような展開も起こりやすいときです。
過去に追いかけて一度諦めた夢を、ここから再び追いかけ始める人もいるかもしれません。

3月下旬から5月中旬は、ちょっと変わったことが起こる気配があります。第三者からは見えないところで、大きな問題が一気に解決に向かうかもしれません。
あるいは、過去にやり残したことに、ここでもう一度取り組む人もいそうです。後悔の種になっていたこと、ずっと気になったままで何もできずにいたことがあるなら、ここでそのテーマにしっかり取り組めます。

また、3月下旬から4月は、非常にキラキラした楽しい時期でもあります。自分らしくのびのびと過ごせそうです。

5月下旬から6月はホットな勝負の季節です。自ら新しいことを始める人、自分自身との闘いを始める人もいるでしょう。

6月半ばからは「居場所を作る」時間に入ります。ここから約1年の中で、新たな居場所を得る人が多いでしょう。引っ越しする人、家族が増えたり、独立したりする人もいるはずです。

6月から9月末は、移動の時間です。たとえば新しい居場所を見つけるためにあちこち見て歩くとか、ここで引っ越しをして新たな場所に根を下ろすプロセスに入る、という人もいるはずです。
知的活動に取り組んでいる人は、過去1年ほどの取り組みの「仕上げ」「見直しとまとめ」ができる時です。

7月半ばから8月頭は、愛と創造の季節です。恋愛に勢いが出ますし、趣味や遊びにも思い切り取り組めるでしょう。

9月中旬から年明けにかけて、一対一の人間関係に愛が満ちてきます。パートナーとの関係はとてもあたたかくなりますし、他者との関係全般に、愛情を感じられるでしょう。懐かしい人との再会、失われていた関係の再構築などもできる時です。

さらに9月末から11月は、前述の「居場所を作る」作業が熱く、急ピッチで進みます。家族や身近な人との関係が一時的にホットなものになるかもしれませんが、思い切ってぶつかって「膿を出す」ことができます。ごまかさないことが大事です。

11月末から年明けは、情熱的に物事に取り組める時期です。才能が開花する人も。

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[愛について]

2026年の牡牛座の愛は、後半にウェイトが置かれています。
9月中旬から10月、11月末から2027年2月中旬は、特に愛のドラマが進展しやすい時となっています。
フリーの人もカップルも、うれしいことが多く起こるでしょう。
特に年末からの時間は、愛を見つけやすい時期といえます。自ら動いてチャンスを摑めます。

2018年頃から貴方の星座に滞在していた天王星という星は、論理と合理性、先進性の星です。批判精神に富み、自立と自由を求め、世の中や自分の周りの人間関係を客観的に見るよう促す星です。
ゆえに過去数年間、貴方を取り巻く人間関係には、ある種の緊張があったかもしれません。
妥協も迎合もしない貴方の態度は、他者にも鏡写しに投影されて、甘えや依存を許さないがゆえに、愛の世界につきもののある種の余裕や緩みが、削がれてきた部分があったのではないかと思います。
このような傾向が2026年、収束します。
一度分解し、組み立て直すような作業が終わったところで、再び「人を容れる」余裕が貴方の側に生まれます。
そこから、愛が流れ込んできます。

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[おわりに]

牡牛座は「もの」の星座です。
不動宮で「もの」の星座なのですから、さぞかし物持ちがいいだろうと想像しますが、実はそうでもありません。
ものを買い換えるのが好きですし、ものを溜め込む傾向もありますが、捨てる時はキッパリと捨てます。
牡牛座の人々は、ものを手放すことが、苦手ではありません。
牡牛座の世界では必ず、「もの」が新陳代謝します。
「もの」は、動くのです。

2026年から2033年までのあいだ、牡牛座の世界での「もの」の動きは、特に大きくなります。
古いもの、使わなくなったものがどんどん廃棄され、多くのものが入れ替わります。

スポーツをやっている人が、古い道具を新しいものに買い換えたら、一気にスコアが変わる、という現象があります。
新しい野心のためにあえて愛用の武器や防具を捨てる、という選択があります。
昨今では「AIを使ったらこれまでの仕事が3分の1の時間で済んだ」などという話も耳にします。
道具を変えると、目標が変わることもあります。

執着と野心は、大きく違うものです。
執着やこだわりを手放した時、本当に捨てられない執念が燃え上がったりします。
あるいは目標への飽くなき欲が、余計な荷物を捨てさせることもあります。

引きずっているもの、もう重いだけのもの、不要なのにしがみついているもの。
もう効かない得意技を何回も繰り出すお陰で、勝てない勝負。
貴方の世界にもし、そうしたものがあれば、ここからそのパターンから抜け出せます。

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illustration: Shen Tanaka

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