乙女座の空模様-石井ゆかりの星占い「2026年の年報」
Culture 2025.12.31
2026年 乙女座の空模様
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厳しい先生方が「さあ、あとは自由にやっていいよ」と言って、教室を退出します。
「自由時間という意味かな?」と思ったら、それは実は「卒業」で、もはや教室や学校の中にいる必要もない、ということがわかります。
もはや、どこに行くのも、何をするのも、自由です。
誰に命令されることも、誰に指導されることもありません。
2026年、乙女座の星回りはさまざまな「自由」を指し示しています。
人間関係や契約上の制約からの自由、社会的立場の自由、交友関係の自由、未来の選択の自由、古いしがらみからの自由。
およそあらゆる自由の渦巻く中にあって、貴方はさまざまな迷いを抱くかもしれません。
レストランのメニューを手にして「どれにしようか」と迷うのは、自由に決めていいからです。
自由とは、迷うことなのです。
そして、一度何かを選択してしまえば、もう選択の自由は消え、「引き受ける」というテーマが浮上します。
乙女座の人々の中には、自分で決めることが苦手な人もいます。
誰かが決めたり、ある程度条件を提示したりしたところでこそ、創造性を発揮できる、というケースがよくあります。
まったくの白紙、完全にフリーハンドで「どうぞ自由に!」と言われると、どこから手をつけていいかわからない、という人がいます。
でも、この時期は多分、そういう状態になる可能性が高いだろうと思います。
これまで決めたことのないことを、決めること。
自分の思いだけを根拠に、何かを選択すること。
自分で自分に命令すること。
それを自分だけのこととせず、周囲にむかって、社会に向かって打ち出していくこと。
たとえばそうしたことが、2026年の乙女座のテーマとなります。
手掛かりはどこにあるかと言えば、おそらく、手や身体です。
手を動かしてやってみること、身体を動かして取り組むこと、現場に行くこと、現物をさわることなどが、何かを教えてくれます。
頭で考えているだけでなく、心身を動かして何かを「する」ことが、糸口になります。
乙女座はもともと、豊かな五感の感性に恵まれた、フィジカルを基礎とする星座です。
五感を刺激し、「実際に手を動かす」ことで、貴方は世界とダイレクトに結びつくことができます。
そしてその体験の中で、高度な意味やメッセージを読み取り、知性をもってそのメッセージをデコードし、それをヒントにアイデアが閃き、より大きな活動を建設し始めます。
貴方の身体の中にある多くの感覚が、貴方に「どっちに行けば本当に自由に生きられるか」を教えてくれます。
心の声、身体の声を聴き、そこにわき上がる喜びを求めて、新しい一歩を踏み出せる年です。
さらに2026年は、「人に恵まれる」年でもあります。
これまでどちらかと言えば「関わらなければならない相手」と関わってきたなら、ここからは「関わりたい相手」と関われます。
あるいは、難しいなと思って関わってきた相手との関係性が変化し、より安心して、のびのびと関われるようになるのかもしれません。
この時期の貴方の「自由」は、決して孤独ではありません。
冒頭のたとえでいけば、教室を出て、学校を出た先で、いろいろな人とフラットに親しみながら、新しい道を見つけていける年です。
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[時期について]
1月はやりたいことに没頭できる時間です。年末から「やりたいことモード」に入っている人が多いはずですが、「自分史上最高傑作」を完成させるような時間帯です。恋愛や子育てなど、「愛」にまつわる分野にも熱い追い風が吹いています。
1月半ばから3月頭は、実力勝負の時間です。「やりたいこと」から「やるべきこと」に軸足を移し、おおいに活躍できます。この時期は特に、予想以上のパワーが出る気配があります。その分、オーバーワークにもなりがちなので、心身のコンディションには十分気をつけて。
1月末から2月は、星座を問わず大きめのシフトチェンジが起こりやすい時間です。乙女座の人々にとっては特に、人間関係において「吹っ切れる」感じがあるかもしれません。自分を縛っていた人間関係から離脱したり、古い契約の鎖から解き放たれたりするようなタイミングです。
この「解放」のあとに、あたたかな人間関係が流れ込んできます。2月から4月前半にかけて、新しい出会いや再会があり、これまでよりもはるかにのびのびと人付き合いができるようになるでしょう。恋愛やパートナーシップにおいても、あたたかさ、なごやかさを感じられるようになります。壊れかけた関係を再構築する人も。
4月から5月中旬は経済活動に勢いが出ます。特に「人から受け取るもの・受け継ぐもの」がありそうです。大事な仕事やポジションを前任者から引き継ぐ、といった場面も。ギフトを受け取る、なんらかの「後継者」となる、あるいは「免許皆伝」のような展開もあるかもしれません。
4月末、仕事や対外的な活動において、かなり衝撃的な変化が起こるかもしれません。突然社会的立場が変わったり、脚光を浴びて「ブレイク」を果たしたり、といった展開もあり得ます。大抜擢、大挑戦、独立なども。特に4月下旬から5月、6月末から8月上旬に、インパクトの強い動きが起こりそうです。
5月下旬から9月は、仲間や友だちとの関係において、なんらかの「まとめ」が発生するかもしれません。2025年半ば頃から作ってきたチームがここで完成するとか、いろいろ関わってきた人々の中で「コア」となるメンバーがかたまる、などのこともありそうです。また、「これからはこのテーマを追いかけていこう」といった、長期的な方針を定める人もいるでしょう。
6月末から約1年の「救いと解放、過去」にまつわる一連のプロセスが始まります。過去にやり残したことにもう一度取り組んだり、後悔の種になっていることに向き合ったりすることになるかもしれません。第三者からは見えないところで、根の深い問題が解決に向かいます。
7月中旬から8月頭は、とても楽しい時間となっています。キラキラの夏休みを満喫できそうな時間です。
8月から12月頭は経済的にうれしいことが多い時です。少しスケールの大きな経済活動に取り組む人もいるかもしれません。
また、8月末から9月前半は、何か「ミラクル」な出来事が起こるかもしれません。特別な巡りあいや新しい試みから、意外な方向への広がりが生まれます。
9月から年明けにかけては、コミュニケーションが「復活」する気配があります。途絶えていたやり取りが、ある情愛の再生とともに、ふたたび繋がるかもしれません。
11月末からは非常にホットな時間に入ります。ここから2027年半ばにまたがって、熱い勝負をする人が多いでしょう。自分自身と闘う人もいれば、何か新しいことを始める人もいるはずです。
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[愛について]
1月、2月から4月半ば、7月中旬から8月頭に、特に強い愛の追い風が吹きます。
さらに3月頭、8月末には、突然の出会いや愛の復活など、驚きの展開があるかもしれません。
2023年頃、あるいは2012年頃から、パートナーシップや恋愛にまつわる悩みを抱えていた人は、2026年に入るとすぐ、その悩みから解き放たれるでしょう。
相手との間にあった距離が縮まったり、愛に背を向ける気持ちがほぐれたりするはずです。
愛や人間関係に対する深い疑念、疑心暗鬼のようなものが消え去り、人に対して心を開く勇気が生まれます。
さらに年の前半は、広い意味で「人に恵まれる」時期となっています。
たとえば愛を探している人は、友だちの紹介や仲間の集まりでの出会いなどに期待できます。「恋愛」と限定せず、広く人々と関わりを持つことで、きっかけを摑める時と言えます。
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[おわりに]
「画家になりたい」と「絵を描きたい」は、一見同じことのようで、実は大きく違っています。
「画家になりたい」人はしばしば、本職の画家に「どうすれば画家になれますか?」と訊ねたりしますが、「絵を描きたい」人は、すでに絵を描いています。
「この職業に就きたい」という夢と、「この作業、この活動をやってみたい」という夢とのあいだには、結構大きな隔たりがあります。
憧れの職業に就いたけれど、夢見ていたのとはまったく正反対の生活、実情がそこにあり、深く苦しむ、というエピソードをしばしば、目にします。
一方で、「ずっとやってきたことが認められ、のびのびと取り組める環境に恵まれた」という成功譚が語られることもあります。
ある「立場」「ポジション」と、そこで行われる「活動」のどちらに注目するかで、ストーリーは違ったものになります。
2026年、貴方の「ポジション」に対するイメージは、なんらかの形で解体され始めるかもしれません。
たとえばこれまでは自分の肩書きに満足していたのに、突然それがなんの意味も無いもののように感じられ、そのポジションに背を向ける、といったことです。
あるいは「いつかあの人のようになりたい」と憧れてきたロールモデルに、突然なんの興味も感じられなくなる、といった変化が起こるかもしれません。
「あれになりたい」「こうありたい」といった社会的立場へのイメージが、なんらかの形で分解しはじめるのです。
一方、「具体的にこういう作業、こういう業務、こういう行動をしたい」という、「活動」のほうは、むしろギラギラと新しい輝きを帯び、野心の中心に置かれます。
何かになりたいのではなく、何かをやりたい自分が、そこに現れます。
乙女座の人々はもともと、「実質」をとります。
ですがその「実質」に辿り着く過程で、一時的にポジションや権威、立場性などに憧れを抱く場合があるようです。
これは「実質」から離れたからそうなるのではなく、むしろ「実質」のみを見つめてきたからこそ起こる現象と言えます。
すなわち、実質的な成果を求めて直向きに頑張った結果、いつのまにか力を得て、その力を使うことがおもしろくなっていた、といった展開。
あるいは、「実質」を求める中で「あの立場だったら、もっと自由にできるのに」「こういう権力があれば、もっと思いどおりのものができるのに」といった思いが強まり、いつのまにかそちらのほうへと重心がシフトしていく、といった展開。
いずれにせよ、スタートラインはあくまで中身であり、実質であったのが、いつのまにかポジションや外形的な権力が目的だったかのようになってしまうのです。
そんな、すり替わった「目的」が、本来の形に置き直される動きが起こるのが、2026年なのかもしれません。
貴方の目指すものはこの変化によって、時代的により新しい、尖ったものとなります。
いつか誰かが見たことがあるようなものや、みんなが目指しそうなものではなく、まだ貴方しか目指したことがないようなものを、ここから追い求めることになるだろうと思います。
illustration: Shen Tanaka




