【フィガロジャポン35周年企画】 ゲランの過去の記憶と現在のクリエイションの間に橋を架ける仕事人にフォーカス!

Culture 2026.01.02

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アールドゥヴィーヴルへの招待 vol.8
2025年、創刊35周年を迎えたフィガロジャポン。モード、カルチャー、ライフスタイルを軸に、豊かに自由に人生を謳歌するパリジェンヌたちの知恵と工夫を伝え続けてきました。その結晶ともいえるフランスの美学を、さまざまな視点からお届けします。

時間の流れが加速するいま、現代社会を読み解く鍵として「過去」がこれまで以上に重要になっている。過去を振り返り、新たなクリエイションへと繋げるのはモードやアートはもちろん、ビューティやメディアも同様だ。フランスの優れた文化遺産を守る手段、アーカイブ(記録の保管)に携わる女性たちに話を聞いた。


Ann-Caroline Prazan/アン=キャロライン・パラザン
ゲラン ヘッド オブ アート・カルチャー・アンド・ヘリテージ

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過去の記憶と現在のクリエイションに橋を架ける。

2000年にフレグランス部門のヘッドとして入社、数々の香水開発を見守ってきた。当時からアーカイブとの関わりは深かったそうだ。

「私はメゾンを大きな木のように考えています。アーカイブは根、幹が人間、そしてイノベーションが葉です。根から力をもらわずしてイノベーションは生まれません」

過去の記憶と現在のクリエイション活動の間に橋を架ける力こそが肝要だ。フレグランスのラール エ ラ マティエールのコレクションは、ヘリテージの記憶を表現したもの。角型ボトルは1870年のボトルデザインからインスピレーションを得ている。アクア アレゴリアの円筒形ボトルはナポレオンⅢ世の妃であるユージェニー皇后に献上された1853年のビーボトルへのオマージュだ。

ヘリテージを生かす際、貢献してくれるのはゲランが長年協働してきたアーティストたち。誕生して100年を迎えた香水、シャリマーを愛用する造形芸術家のルイーズ・ブルジョワが、2024-25年に東京・森美術館での展覧会でシャリマーの香水瓶を用いた作品を展示したのは記憶に新しい。世代を繋ぐアーカイブは集合的記憶も強固なものとする。それはかつてゲラン家という家族経営を行っていた
メゾンにはとても貴重なものだ。

「文書や製品の総目録を作ろうと思い立ち、クリームの容器や香水瓶、パウダーケースなど、数えてみたら約25,000点が保管されていました」

社内で継承するために、パリのデパート、サマリテーヌ近くの地下に貴重な4,000点を集め、これを"至宝の収蔵庫"と名付けた。その壁には著名な顧客、ヘミングウェイ、プッチーニ、そしてフリーダ・カーロの肖像画が掛かる。収蔵庫を育むのはアン=キャロライン・パラザンだ。ひとつの棚にはやがてアーカイブとなるであろう新製品が集められている。スタッフはあちこちのオークションを巡り、「子どものように漁り、探し、真贋を見極めます。これから迎えるブランド創立200周年への準備をしているのです」

*「フィガロジャポン」2026年1月号より抜粋

photography: David Coulon(Madame Figaro) text: Céline Cabourg(Madame Figaro)

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