「私たちから盗んだものを返せ」チャールズ3世、オーストラリア国会議事堂でアボリジニの議員から批判される

Celebrity 2024.10.31

イギリス国王は現在、オーストラリア各地を訪問中だ。キャンベラのオーストラリア議会を訪れた際、スピーチ直後にアボリジニの議員から王室が「集団虐殺を犯した」ことを非難された。

241022-charles-main.jpg
キャンベラのオーストラリア国会議事堂で演説するチャールズ3世。(2024年10月21日)photography: PA Photos/ABACA

チャールズ3世のオーストラリア訪問はなかなかドラマチックな展開となった。今回の訪問は、旧植民地のひとつであった同国との関係強化のため、カミラ王妃を伴っておこなわれた。国会で罵声を浴びた前日も、シドニーの英国国教会の前で「脱植民地化」を訴えるデモ隊に迎えられたばかりだった。

今回、抗議の舞台となったのはキャンベラのオーストラリア国会議事堂だ。10月21日、75歳の国王がスピーチを終えた直後、アボリジニの活動家でもある国会議員の女性がイギリス王室を「集団虐殺」の根本原因だと非難し始めた。

「あなた方は私たちの民に対して大虐殺をおこなった。土地を返せ、私たちから盗んだものを返せ。私たちの骨、頭蓋骨、赤ちゃん、私たちの民を......」と叫ぶ女性、リディア・ソープは警備員によって外へ連れ出された。「私たちの土地を破壊した。(中略)あなた方は虐殺者だ。ここはあなたの土地ではない。あなたは私の王でもなければ、私たちの王でもない」と激しく抗議するリディアは先住民のドレスに毛皮のケープをまとっていた。彼女の挑発に国王夫妻は反応しなかった。

---fadeinpager---

植民地の支配者であるエリザベス女王陛下

この議員の暴言はこれが初めてではない。リディア・ソープはこれまで何度もイギリス王室に敵意を示したことで知られている。2022年8月、エリザベス女王が亡くなる数週間前、51歳の政治家は当時まだオーストラリアの国家元首であった女王にしぶしぶ忠誠を誓った。

「植民地の支配者たる女王陛下エリザベス2世に忠実であり、真の忠誠を尽くすことを厳粛かつ誠実に誓います」と彼女は言って議会で宣誓したが、下院議長に叱責された。その後、彼女はこの儀式を「古風」で「馬鹿げている」と評して退席した。

text: Louise Ginies (madame.lefigaro.fr)

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

いいモノ語り
言葉の宝石箱
パリシティガイド
Business with Attitude
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories