ドナルド・トランプの末息子、バロン・トランプとは?

Celebrity 2024.11.11

ホワイトハウスを去って8年、ドナルド・トランプとメラニア夫人の息子バロンは、いまだに謎めいた存在のままである。

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共和党候補の演説中にステージ上で撮影されたドナルド・トランプ、メラニア夫人、そしてバロン・トランプ。(パームビーチ、2024年11月6日)photography: Abaca

メラニア夫人は彼を「ミニ・ドナルド」と呼ぶこともあるが、その大柄な体格を除けば、バロン・トランプは父親とはかなり異なる印象である。彼は父に比べて控えめで感情を表には出さず、どちらかといえばひとりでいることを好むタイプで、あまり目立たない存在だ。それでも、若きバロンは次期大統領である父のそばでサポートしているようだ。18歳の学生である彼は、アメリカ大統領選挙の勝利を宣言する父ドナルド・トランプの隣に、11月6日(水)の演説時に登壇した。若者は珍しく笑みを浮かべていたと感じた人もいた。

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戦略的な役割を果たす

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アメリカ大統領選挙で勝利を主張するドナルド・トランプ。(パームビーチ、2024年11月6日)photography: Abaca

バロン・トランプは、共和党候補のドナルド・トランプに対して戦略的な役割を果たしていたと報じられている。彼は父親が「新しいメディア」を活用し、「若者の票」を獲得する手助けをしたという。『ワシントン・ポスト』によれば、バロンは父親に対し、若い世代をターゲットにしたテオ・ヴォンやアディン・ロスのポッドキャスト番組への出演をアドバイスしたという。バロン・トランプのサポートは、投票所でも確認された。11月5日にはメラニア夫人がバロンの初めての投票の写真を共有した。もちろん、彼が投票したのは父親だった。

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テニスの試合中

より責任感に溢れ、計画的に物事を考える新たなバロンの姿をアメリカ人は目にしている。また、父親が直面している政治的な課題や危険についても、以前より意識を高めているようだ。ドナルド・トランプの選挙活動中、バロンは父親の健康状態を度々心配し、不安の色を見せたと言われている。ドナルド・トランプはノースカロライナ州で行った集会の中で、「『パパ、ゆっくりして。大丈夫? 無理しなくてもいいよ』と彼は良いアドバイスをくれる。彼はとても賢く、私のことを大切に思ってくれている」とバロンの心配りを称賛した。

バロン・トランプは、7月13日にバトラーで起きた候補者への暗殺未遂事件を突然知ったと報じられている。ドナルド・トランプは「FOXニュース」とのインタビューで次のように語った。「バロンが友達とテニスをしていると、誰かが駆け寄ってきて、『お父さんが撃たれた』と言ったそうだ。」続けて、ドナルドは「バロンは家に帰ると、泣きながら『ママ、ママ、ママ、一体何が起こったの?』と言っていた。私が立ち上がり、拳を突き上げるのを見たのだろう」と語った。

抜本的な改革

より賢く成長した一方、バロン・トランプは以前より不安を感じているかもしれない。しかし、いずれにせよ、若い頃よりも心の準備は整っていると言えるだろう。8年前、10歳の内気で自信がなかったバロンは、ジョン・F・ケネディの息子以来、最年少の大統領の息子としてホワイトハウスでの生活を始めた。それは、彼にとって多くの変化を伴う新たなスタートでもあった。

2016年、ドナルド・トランプは、当時ニューヨークで通学していた息子がこの引っ越しを「不安に感じていた」と語っている。この「大きな変化」について、バロンは最終的に理解したという。「『もしパパが選挙に勝ったら、人々や自分のような子どもたちを助けることになる』と伝えたところ、それを聞いたバロンは安心したようだった。彼は9歳の男の子だが、強くて賢い。物事を理解している」と当時、ドナルド・トランプは語った。

ホワイトハウスに移る前、バロンを非常に可愛がっているメラニア夫人は、夫と金銭的な取り決めを交渉したという。これは、2020年にメアリー・ジョーダンが著書『The Art of Her Deal(原題)』で明かした内容だ。「彼女は、バロンがトランプの3人の兄姉と同じように、財政的な機会や相続に関して平等に扱われることを、書面で証明してほしいと考えていました」とメアリー・ジョーダンは書いている。しかし、こうした予防措置にもかかわらず、バロン・トランプのホワイトハウスでの第一歩は、予想以上に波乱に満ちたものとなった。

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「エキスパート」

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ホワイトハウスで撮影されたバロン・トランプ、ドナルド・トランプ、メラニア夫人。(ワシントン、2019年11月26日)photography: Bloomberg / Bloomberg via Getty Images

公式行事の際、バロン・トランプは大げさな瞬きや、理解しづらい小さな仕草、そして不適切なあくびなどが原因で、ネットユーザーから揶揄されることが多かった。また、ドナルド・トランプの就任式でシェアされた動画では、バロンがネット上で笑い者にされる場面が映し出されている。動画では、10ヶ月の甥のセオドアと無邪気に遊んでいる様子や、母親とハイタッチをするのに失敗しているシーンが見られる。2016年11月には、アメリカの司会者ロージー・オドネルが、バロンが何らかの自閉症の症状を持っているのではないかと疑問を呈した。


バロン・トランプ着用の"エキスパート"と書かれたTシャツがJ.Crewで発売される。

そのため、ホワイトハウスは若者のプライバシーを尊重するよう求め、介入せざるを得なかった。これらの事件の後、バロン・トランプは姿を消すことになった。ホワイトハウスの芝生で時折その姿が見られたものの、いつもの不機嫌そうな表情を浮かべ、ますます身長は高くなっていた。14歳の時点で、彼の身長はなんと190センチにも達していた。

彼の登場は限られていたものの、2017年には(彼が着用していた)J. Crewの"エキスパート"と書かれたTシャツは売り切れとなるほど注目を集めた。特に2019年、ドナルド・トランプとその子どもたちとのバッキンガム宮殿での夕食会やオーランドでの政治集会に欠席したことは、注目を集めることとなった。

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新たな生活

その間、バロン・トランプはカメラの目を避けて成長していった。彼は一時期、メリーランド州ポトマックにあるセント・アンドリューズのエピスコパル・スクールに通った後、パームビーチにあるオックスブリッジ・アカデミーに入学する。そして、この学校を2021年5月に卒業した。時が経つにつれ、パパラッチは彼の写真をいくつかキャッチしている。2021年、彼はトランプタワーの前で母親よりも頭ひとつ高くなった姿を見せた。翌年、ますます大きくなった姿で、(ドナルド・トランプの元妻)イヴァナ・トランプの葬儀で再び姿を見せた。


大学初日、N Y Uに到着したバロン・トランプ。

『ニューヨーク・ポスト』紙が公開した写真にあるように、9月にニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスに復学した彼は、ボディーガードに囲まれていた。メラニア夫人がテレビ番組「ザ・ファイブ」で説明したように、バロンは「授業と先生が大好き」だというが、彼が一匹狼であることに変わりはない。

「息子の恋愛事情について尋ねられたドナルド・トランプは、最近のPBDポッドキャストで次のように語った。「彼がその段階に達しているかどうかはわからない。彼が彼女を持ったことはないと思う。」続けて、「彼はひとりでいることを気にしないが、人付き合いは得意だ」と述べた。ニューヨークに戻った彼だが、今後、父親の新しい政権にどれだけ関わっていくのか、それとも2.06メートルもの身長と金色に輝くトランプタワーから、父の動向を見守るだけで終わるのかは、まだわからない。

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From madameFIGARO.fr

text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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