デミ・ムーア、マタニティヌードが表紙を飾った34年前の雑誌が再び話題に。
Celebrity 2025.01.10
1990年代初頭、雑誌「ヴァニティ・フェア」は、アニー・リーボヴィッツによる妊娠後期の女優デミ・ムーアを捉えた写真を表紙に掲載したが、その後起こるスキャンダルを予想していなかった。
デミ・ムーアは2020年2月4日の「ヴァニティ・フェア」のパーティで、第二子妊娠時のアイコニックな写真の前に立ち、ポーズをとった。photography: Michael Kovac / Getty Images for Annenberg Found
1991年、デミ・ムーアは第二子であるスカウト・ラルーを妊娠中で、ブルース・ウィリスとともにハリウッド映画界で最も注目されるカップルだった。女優は28歳で、1990年に公開された『ゴースト/ニューヨークの幻』の成功後、前途有望なキャリアを歩んでいた。そのため、彼女は写真家アニー・リーボヴィッツに依頼され、雑誌「ヴァニティ・フェア」のための撮影に応じ、その結果、8月号の表紙を飾ることになった。後に彼女は、この写真撮影の裏側について「インタビュー」誌で語ることになる。「もちろん、最初は何枚かは服を着て撮影しましたが、撮影の終わりには、私が裸の姿で撮影された他の写真も撮りました。私はアニー(リーボヴィッツ)に『これを表紙に使ったら素晴らしいと思わない?』と言ったことを覚えています。2週間後、彼女から電話があり、その画像を送ると言って、表紙に使うことに同意するかどうか尋ねられました。」
しかし、女優デミ・ムーアが裸で胸を手で隠した姿で表紙を飾った雑誌が発売されると、その妊娠を誇るような姿がスキャンダルを巻き起こした。ある小売店では販売を拒否するところもあった。例えば、当時、スーパーマーケット「ジャイアント」の広報担当者は『ワシントン・ポスト』に次のように説明していた。「私たちは家族経営の企業です。非常に小さな子どもたちが親の買い物中に雑誌売り場に行くことがあります。私たちはその決定が正しいと考えました。」デミ・ムーアにとって、それは衝撃的な出来事だった。「私が完全に無邪気だったわけではありませんが、この写真がこれほどまでに人々を驚かせるとは思いもしませんでした。まるで女性は妊娠を隠さなければならないという印象を与えてしまいました」と、女優は2024年9月号の「インタビュー」誌で回想している。そんな状況にもかかわらず、この号は120万部を売り上げ、当時の記録的な発行部数となった。
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ピューリタニズム(禁欲主義)
「サタデー・ナイト・ライブ」で雑誌を手にしている映画『ウェインズ・ワールド』のデュオ、マイク・マイヤーズとダナ・カーヴィー。photography: NBC / NBCUniversal via Getty Images
『The Substance(原題)』でゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル、コメディ部門)を受賞したばかりの彼女は、昨年9月に『ニューヨーク・タイムズ』でのインタビューで、ある形の禁欲主義について次のように批判した。「お腹を見せることが恐ろしいのは、それが性行為を示唆しているからだと思います。」
確かなことは、デミ・ムーアが先例を作ったということ。その後、ブリトニー・スピアーズやセリーナ・ウィリアムズ(いずれもアニー・リーボヴィッツによる撮影)、シンディ・クロフォード、モニカ・ベルッチなど、多くのセレブが彼女の例に従った。
実際、あるスペインの写真家は、この写真の歴史についてInstagramの投稿の中で語り、デミのポーズが非常に象徴的なものになり、片手で胸を隠し、もう片方の手でお腹を隠すことが「デミをする」として知られるようになった、と説明している。
つまり、もともとプライベートな瞬間として収められた一枚の写真が、社会の常識を変え、妊娠した女性の身体に対するタブーを打破するきっかけとなったのだ。
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From madameFIGARO.fr
text: Justine Feutry (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi