ダイアナ妃のモカシンがアイコンとなった日とは?
Celebrity 2025.01.27
数十年にわたりファッションアイコンとして君臨した"民衆のプリンセス"ダイアナ妃は、伝説的なデザインのイタリア製モカシンを常に愛用していた。
1997年1月5日、反地雷活動に力を入れていたダイアナ妃はアンゴラを訪れた。photography: Tim Graham / Tim Graham Photo Library via Get
「私はルールに縛られない」とよく述べていたダイアナ妃。確かに、彼女のその生き方もファッションも自由そのものだった。フリル付きのドレスに黒い羊の刺繍が施されたイギリス製のセーター、ボヘミアンスタイルのバッグ、帽子やビビ(髪飾り風の小さな帽子)、デニムにカウボーイブーツ、野球帽......ダイアナ妃は、最も有名なプリンセスのひとりとして、あらゆるファッションを試し、常に自分のお気に入りのアイテム、タイムレスなアイテムを身に着けていた。そして、その中には、あの有名なトッズのモカシンも含まれている。
ダイアナ妃は、フェミニンな魅力を持ちあわせていた。イギリスを代表する立場にある時には、誰よりも見事に週末スタイルを取り入れ、時代に合わせたファッションを楽しんでいた。彼女は、親しみやすさを感じさせるカジュアルな服装を好んでおり、一般人と近い存在であることを大切にしていた。また、ダイアナ妃は自らショッピングに出かけ、イタリアの名門ブランド「トッズ」のモカシンを見つけた。そして、それが彼女のアイコン的なアイテムとなった。
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133個のラバー・ペブル
デニム、襟付きの英国シャツ、そしてモカシン。イタリア語で「ゴンミーニ」と呼ばれるこのモカシンは、1950年代の自動車競技用のシューズにインスパイアされ、1978年にディエゴ・デッラ・ヴァッレによって創作された。特徴的なデザインは、ソールに施された133個のラバー・ペブル(ゴム製の突起)だ。1996年、すでにこのモカシンの愛用者であったダイアナ妃は『ニューヨーク・タイムズ』に対し、このように語った。「この靴は、品位を保つための守り神のようなものです。スポーティな服装にも、スーツやフォーマルな装いにも合わせて履くことができます」。
1997年1月、ダイアナ妃がその象徴的な靴を履いた姿がカメラに収められた。彼女は地雷除去活動の一環としてアンゴラを訪れ、その写真は世界中を駆け巡った。彼女の献身的な姿勢は、見る人々に強い印象を与えた。そして、そのファッションは、当時の流行を取り入れた洗練されたスタイルだった。デニムとシャツという完璧なコンビネーションに、彼女の愛用するモカシンを合わせたスタイルは、まさに彼女の代名詞とも言えるものだった。ダイアナ妃は、黒革、ベージュスエード、そして柔らかなピンクカラーまで、多くのバリエーションのモカシンを所有していた。133個のラバー・ペブルが特徴のこのトッズのモカシンは、冬仕様などさまざまなアレンジが加えられながらも、その魅力が色褪せることはない。そして、この靴は伝説的ダイアナ妃を象徴するアイテムとして、永遠に愛され続けるだろう。
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ボスニアを訪れたダイアナ妃。(1997年8月10日)photography: Mirrorpix / Getty Images
From madameFIGARO.fr
text: Ségolène Wacrenier (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi