イーロン・マスクがインタビューで涙を拭った瞬間。その理由とは?
Celebrity 2025.02.25
トランプ大統領の新たな近しいアドバイザーとして注目を集める、冷徹な、テスラCEOのイーロン・マスクだが、過激な意見表明や権威的なツイート、そして不器用な人間付き合いで知られる一方、これまで何度も自らの弱さを見せてきた。
トランプ大統領の就任式に出席したイーロン・マスク。(ワシントン、2025年1月20日)photography: ABACA
イーロン・マスクはXでの問題発言や会議中の無謀な行動で知られ、先見の明あるテスラのCEOとして、またトランプ大統領の新たな親友として、数多くの子どもを持ち、「ウォーク主義」に対する激しい反対でも注目されている。しかし、彼の弱さについてはあまり知られていない。とはいえ、イーロン・マスクは何度もその極度に敏感な一面を公に見せてきた。
それは、数年前のドキュメンタリー番組「60ミニッツ」でのジャーナリストのスコット・ペリーとのインタビューを見れば分かる。目に涙を浮かべ、喉を詰まらせながら、億万長者の彼は自身の会社スペースXで商業宇宙飛行を実現しようと考えているが、宇宙飛行士のニール・アームストロングとユージン・サーナンがその考えに反対していることを残念に思っていると語った。しかし、彼が尊敬するこれらの男性たちの反対意見を受けつつも、イーロン・マスクは自分のビジョンを現実にすることを決して諦めないと断言した。
また、2017年のインタビューではオーストラリアのジャーナリスト、リズ・ヘイが「オーストラリアの家庭がエネルギー料金を支払うために食事を抜いている」という話をした瞬間、突然感情が込み上げてきた。彼は涙をこらえながら、「こんなことを予想していなかった」と言い、震える顎を抑えた。
---fadeinpager---
「ちょっと待ってもらえますか?」
イーロン・マスクは再びテレビで感情が崩れ、ジャーナリストが2008年のテスラの危機について質問すると、その場で崩れ落ちた。この年、彼は最初の妻ジャスティンとの離婚問題に直面する一方、自身が経営するテスラとスペースXが破産寸前に追い込まれていた。テスラとスペースXに投資したお金はほとんど消えてしまっていた。「その危機の時期をどう過ごしましたか?」とジャーナリストが尋ねる。「うーん......ちょっと、待ってもらえますか?」と動揺した様子でイーロン・マスクは答え、その後、涙を拭いてインタビューを再開した。
イーロン・マスクの支持者たちは、この稀有な瞬間を称賛している。ある人にとっては、それは彼が人間らしく、欠点を抱え、勝利も失敗も経験してきた証しに思える。一方、「ロボットが泣くのを見たのは初めてだ」と皮肉を込めてコメントする人も。
イーロン・マスクは感情の変化が非常に速く、予測ができない。実際、2021年にイーロン・マスクと長時間のインタビューを行った「ローリング・ストーン」誌のジャーナリスト、ニール・ストラウスはこう語る。彼は突然、素っ気ない態度で対応したかと思えば、次の瞬間には少し個人的すぎるアドバイスを求めてきたり、完全に無視したかと思えば、理解できない話題で5分間笑い転げたりすることがあるという。そして最後には、まるで自分たちが一度も会ったことがなかったかのように振る舞う。イーロン・マスク、まさに彼自身が謎そのものである。
From madameFIGARO.fr
text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi