メラニア vs イヴァンカ・トランプ......ホワイトハウスで激化する「冷戦」とは?
Celebrity 2025.03.07
2期目のトランプ政権が発足したばかりなのに、大統領の身辺で早くも女性のバトルが繰り広げられているようだ。対立するのは氷のまなざしを持つ謎めいた妻メラニアと、大いなる野望を抱く「愛娘」のイヴァンカだ。

それは公然の秘密だ。公の場では笑顔で綿密に計算された行動を取っていても、ふたりはワシントンきってのライバル。ホワイトハウスに戻ってきたばかりのトランプ大統領の人生に大きく関わる女性2人がひそかに激しく戦っている。
仲の悪さは今に始まったことではない。そもそもの発端は2005年にスロベニア人モデルのメラニア・クナウスがドナルド・トランプと結婚したことだった。当時、メラニアは34歳(ドナルドは58歳)で、23歳だったイヴァンカとは11歳しか離れておらず、この歳の近さが潜在的なライバル関係をもたらした。ふたりが正真正銘の冷戦を始めたのは2016年にドナルド・トランプがホワイトハウスへやってきた時からだった。
トランプ家と親しい複数の関係者が「デイリーメール」紙に語ったところによると、メラニアとイヴァンカはオフィススペースから外国への公式訪問、そして特定の政治方針までことごとく争った。あまりの不仲に2018年、当時ホワイトハウスの首席補佐官だったジョン・ケリーが、ふたりのそれぞれのスタッフの仲裁に入らなければならなかったほどだったそうだ。
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不在のファーストレディ、遍在する娘
ふたりの不仲を象徴するのが、1期目のトランプ政権発足当初の状況だ。メラニアは、当時10歳だった息子のバロンの学業のため、ニューヨークに残ることを公式に決めた。一方、イヴァンカと夫のジャレッド・クシュナーはすぐさまワシントンの高級賃貸住宅に引っ越した(家賃は月1万5000ドル)。
ホワイトハウスの目と鼻の先に住むことで本来はファーストレディが担う役割の多くをイヴァンカが自然と引き受けることになるという意味で、これは戦略的な引っ越しだった。イヴァンカはこの立場を楽しんでいたようだ。のめりこむあまり、「ファーストレディ執務室」を「ファーストファミリー執務室」に改名するよう求めたと報じられており、「これを聞いてメラニアは激怒した」と、ある関係者はデイリーメール紙に語っている。
義母VSお姫さま
ホワイトハウスの外でもふたりは競っている。政界進出前のイヴァンカはビジネススクール卒業後、父親の不動産帝国の一翼を担い、メイシーズなどの百貨店向けの洋服ブランドを立ち上げ、ハイジュエリーの会社も設立している。アメリカで報じられたところによれば、年間1億ドルの売上に達したこともあったそうだ。
一方、メラニアもビジネスでキャリアを築こうとしたものの、あまり成功していない。2012年にTVショッピングチャンネルのQVCでスキンケア製品やジュエリーを販売したが成功を収めたとは言い難い。「とても優秀なビジネスウーマンであるイヴァンカに対するライバル意識があるのでしょう。その裏には、優れたビジネスウーマンになれて初めて、真のトランプ家の一員だという考えがあるのだと思います」と、メラニアに近い関係者はデイリーメール紙に語っている。

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厄介な存在
今日、公式にはイヴァンカと夫は政界から身を引いたことになっている。それでも女性2人の冷戦は続いているようだ。「(メラニア)にとってイヴァンカはいつまでも厄介な存在です」と、ふたりを知る関係者は明かす。ドナルド・トランプの2期目の就任宣誓式で、ふたりが一度も言葉を交わさなかったことは多くの人が目撃している。連邦議会議事堂でトランプが宣誓しているすぐ横に並んで立っていたにもかかわらずだ。トランプ大統領のスタッフの一人は、イヴァンカがメラニアと同じ数だけ、大事な瞬間の写真に写ろうと「躍起になっていた」と語った。
公式には、イヴァンカは慈善事業と母親の役割に専念しているはずだ。だが父親から決して遠ざかりはしない。自分が父親の大切な存在であり続けたいと思っているからだ。
先月、ポッドキャストの「ヒム&ハー」に出演したイヴァンカは、「私が一番うれしいのは、娘として父のそばにいられること、父に気分転換してもらおうと、一緒に映画を観たり、スポーツ観戦したりすること。私といる時の父に、素のままくつろいでもらえることです」と語った。2時間のインタビューの間、「最愛の」義母については一言も触れなかった。
ひそかな戦い
トランプ家に近い人物は、波乱を予測している。「イヴァンカが国賓晩餐会などに顔を出したがり、(メラニアは)怒るでしょう。新たな戦いの始まりです」。
しかし、ファーストレディはおなじみの沈黙を保つはずだ。「ニューヨーク・タイムズ」紙でベストセラー第1位となったメラニアの回顧録には、外交官的な美辞麗句が散りばめられている。「私の役割は、(義理の子どもたちの)母親代わりになることではありません。仲良く支える関係となることです(中略)どんな意見の相違があろうとも、誰もが尊敬と理解に値することを忘れてはなりません」。その意見の相違にアメリカや全世界が注目している。
From madameFIGARO.fr
text: Ségolène Forgar(madame.lefigaro.fr)