ダイアナ妃のドレスを70着以上デザインしたクチュリエ、デビッド・サスーンが逝去。

Celebrity 2025.04.15

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1981年に故ダイアナ妃が結婚式で着用したドレスを手がけたことで特に知られるイギリス人クチュリエが、4月10日に亡くなった。

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ダイアナ妃とデビッド・サスーン、レセプションで。(ロンドン、1997年5月)photography: Tim Graham / Tim Graham Photo Library via Get

彼は、永遠に「心の王妃」を支えた存在として記憶されるだろう。4月10日、イギリス人クチュリエ、デビッド・サスーンが92歳で亡くなった。彼は、故ダイアナ妃の象徴的な衣装の多くを手がけたことで知られている。遊び心のあるスタイルとモダンなカクテルドレスで知られ、キャリアの大部分をイギリス王室やその親しい人々の衣装を手がけることに費やした。彼はクリエイティブパートナーであるベリンダ・ベルヴィルと共にその仕事を行っていた。ベルヴィルは1953年に「ベリンダ・ベルヴィル」と名付けた高級英国ファッションサロンを立ち上げ、1958年にデビッド・サスーンが参加した際に「ベルヴィル・サスーン」に改名された。

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プライベートな集まりでのデビッド・サスーン(中央)。(ロンドン、1997年6月)photography: Tim Graham / Tim Graham Photo Library via Get

1932年10月5日、ロンドンのユダヤ系の家族に生まれた彼は、レディ・パメラ・マウントバッテンとインテリアデザイナーのデビッド・ヒックスの結婚式をきっかけに、10歳の若きアン王女のためのロングドレスを作るよう依頼を受け、キャリアが大きく転機を迎えた。わずか32歳で、バッキンガム宮殿に赴き、エリザベス女王と初めて対面することになる。これがファッション業界と王室との大きな歩みの始まりだった。

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1981年、ヴィクトリア&アルバート博物館でダイアナ妃が着用したデビッド・サスーンが手がけた有名な舞踏会用のドレス。photography: Tim Graham / Tim Graham Photo Library via Get

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英国王室御用達クチュリエ

その後、デビッド・サスーンはダイアナ妃のために70点もの衣装を手がけた。:結婚式の日の出発時の衣装から、マタニティウェア、そして1981年、ヴィクトリア&アルバート博物館でうたた寝した夜にダイアナ妃が着用していた有名な青いシフォン素材の舞踏会用ドレスも忘れてはならない。「デビッドは、80年代の豪華さを体現する衣服を創り出すことにより、ダイアナ妃の"現代のプリンセス"としてのイメージにおいて重要な役割を果たした」と、『The Queen: 70 Years of Majestic Style(原題)』の著者であるベサン・ホルトは「WWD」に語った。そして続けてこう述べた:「彼の仕事は、王室のドレスコードを完璧に尊重しながらも、そこに大胆さと新鮮さを吹き込んだ」と彼女は続けた。

時が経つにつれて、彼の顧客リストには多くの著名なセレブリティたちの名前が並ぶようになった。その中には、マーガレット王女をはじめ、カミラ王妃、サラ・ファーガソン、弁護士のブレイン・トランプも含まれている。そして、10歳の頃から長年の顧客であり続けたアン王女も忘れてはならない。アン王女は、2008年にフランスのニコラ・サルコジ大統領とその妻カーラ・ブルーニを迎えてウィンザー城で開かれた国賓晩餐会で、彼のドレスを着用した。

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ウィンザー城で開催されたニコラ・サルコジ仏大統領と大統領夫人のカーラ・ブルーニを迎える公式晩餐会にデビッド・サスーンの青いドレスで出席したアン王女。(ウィンザー、2008年3月26日)photography: Pool Interagences / Gamma-Rapho via Getty Images

ファッション界での50年のキャリアを祝して、2009年に『The Glamour of Bellville Sassoon(原題)』という著書を出版した。この本は、英国のデザイナー、ジーン・ミュアのアシスタントだったシンティ・ステンプとの共著で、著名なファッション評論家スージー・メンケスによる序文が添えられている。1980年代に同僚であるベリンダ・ベルヴィルが引退すると、デビッド・サスーンはデザイナーのローカン・マラニーと提携し、2012年までその企業を共同で運営した。2000年代初頭には、カクテルドレス、イブニングドレス、オーダーメイドのウェディングドレスを専門にした「ベルヴィル・サスーン・ローカン・マラニー」というプレタポルテブランドを立ち上げた。友人であるデザイナーのザンドラ・ローズによると、彼は「控えめで内気な人」だったが、常に地に足をつけていたという。それが、彼の成功の理由であったに違いない。

From madameFIGARO.fr

text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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