「ソロファーストアルバムは、本当の私を物語っています」BLACKPINKジェニーにインタビュー。

Celebrity 2025.05.04

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BLACKPINKのメンバーであり、シャネルのメゾンのアンバサダーであり、ハンドバッグ"CHANEL 25"の顔を務めるジェニーが、ファーストソロアルバム「Ruby」で本格的に活動を開始する。

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ゴードン ヴォン スタイナー演出による"CHANEL 25"ハンドバッグキャンペーンフィルムに出演したジェニー。photography: Chanel

ロサンゼルスの朝。Zoom越しに聞こえるジェニーの声は、穏やかで落ち着いており、どこまでも冷静だ。その語り口からは、インタビュー慣れしたプロとしての揺るぎない自己コントロールがにじみ出ている。2016年以降、韓国出身の若き歌手・ラッパー・ダンサーとして、ジェニーは世界的なポップスターの座へと駆け上がった。彼女が所属するK-POPグループ「BLACKPINK」は、いまや世界で最も有名な韓国のガールズグループだ。29歳の彼女のInstagramアカウントには、実に8700万人ものフォロワーがいる。その影響力は絶大で、日常の些細な出来事さえもSNS上で嵐を巻き起こすほど。まさに規格外のキャリアを歩んできた。厳格で型にはまったK-POP業界の中で、ジェニーはひときわ個性的な道を切り開いてきたのだ。2018年にはグループ活動と並行してソロとしてのキャリアをスタート。デビュー曲「Solo」はその名の通り、ソロとしての第一歩を象徴する作品となり、ミュージックビデオはYouTubeで10億回以上再生されている。

彼女は2019年、カリフォルニアで開催されるコーチェラのステージに単独で立った初の韓国人アーティストとなり、さらにサム・レヴィンソンが手がけたHBOのドラマシリーズ「The Idol」に出演することで、表現の幅を広げた。現在も、疲れを知らない完璧主義者である彼女は、BLACKPINKとしての活動を続けながら、自らの声をしっかりと発信している。

そしてこのたび、初のパーソナルなアルバム「Ruby」をリリースした。「Ruby」というタイトルは、彼女が11歳のとき、ニュージーランドのオークランドで暮らしていた頃の自分「ルビー・ジェーン」へのオマージュである。「これからの私の探求は、"アーティストになる"こと」と彼女は語る。自由を愛し、ファッションに情熱を注ぐ──そして"CHANEL 25"の新アンバサダーである若き女性に、話を聞いた。

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ーーソロファーストアルバム「Ruby」を作るきっかけは何だったのでしょうか?

2023年のある夜、BLACKPINKのツアー中に、人生で達成したい目標をリストに書き出しました。その中でも特に大きかったのが、「ソロアルバムを制作すること」でした。最初に、自分自身のインディペンデントなレーベル(Odd Atelier)を立ち上げて、それから1年以上かけて楽曲制作に取り組みました。プロセスは長くて複雑でした。というのも、BLACKPINKとしての活動と並行して進めていたからです。録音作業はロサンゼルスで完了しました。自分自身で舵を取る必要がありましたし、その責任の重さに怖さを感じる瞬間も正直ありました。でも私は思いきって飛び込みました。

ーー今回のプロジェクトは、独立した自分を表現したものですか?

間違いなくそうです。私は、ファンが私を私らしさで感じ取れるような「自分らしい表現」を創りたいと思っています。BLACKPINKのメンバーとして音楽の世界に身を置き、長い間活動してきました。私を知っている人たちは、私にはさまざまな側面があることを理解していると思います。「Ruby」は、私が本当に誰なのかを語るアルバムです。私の感情と脆弱さへのオマージュでもあります。自分自身にもっと近づくことができたし、このアルバムは一種の解放でもあります。ずっと独立したかったのです。

ーーこのアルバムで独立した自分を表現するにあたってのインスピレーションは何ですか?

このアルバムは、私の中にいる一連のキャラクターたちを表現しています。そのため音楽的にはさまざまなジャンルを取り入れ、複数の技法で表現しています。ラップも歌も、そして時には話すように歌うこともあります。私は1990年代のポップ音楽を多く聴いて育ちましたが、それは当時の韓国では珍しいことでした。母は西洋文化に強い影響を受けていて、ノラ・ジョーンズのようなアーティストや、R&Bの楽曲をよく聴いていました。

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シャネルのキャンペーンでマンハッタンの街角を歩くジェニー。photography: Chanel

ーー「Ruby」のゲストの中には歌手のデュア・リパもいます。彼女とはどんな繋がりがあるのでしょうか?

デュアとはずっと前から友人です。私たちのアーティストとしての出会いは、まさにひと目惚れのようなものでした。彼女のエネルギーが大好きです。彼女は素晴らしい努力家であり、私たちは、お互いに好きな音楽スタイルを融合させることに対してパッションがあります。「Handlebars」というデュエット曲に全力で取り組みましたが、この経験が私自身を再発見する手助けとなり、また「Ruby」に収録されている他のコラボレーションも同じように、各アーティストが個性的なスタイルで参加しています。たとえば、チャイルディッシュ・ガンビーノ、カリ・ウチス、チャーリー・XCX、ドミニク・ファイクなどです。

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ーーあなたにとって『スタイルを持つ』ということはどんな意味を持ちますか? そして、自分自身のスタイルをどう表現しますか?

スタイルは独自性にあると思います。それは自己表現の一形態です。細かいディテールの選び方に現れ、それらが集まることでひとつの個性が形作られるのです。私のスタイルは、対照的な要素を反映していると思います。クラシックでありながら現代的で、ロマンティックな要素もありつつ、非常に都会的でもあります。私にとって、服は自分の人生の新しい章を作り上げるための手段だと思っています。

ーーファッションはあなたにとってどのようなサポートになっていますか?

ファッションがなければ歌手として存在していないのではないかと思うほど、ファッションは私の仕事において重要な役割を果たしています。なぜなら、ファッションには素晴らしいストーリー性を持つ力があるからです。ポップミュージックには音だけでなく、視覚的な要素も欠かせません。私がこの最初のアルバムの曲を書き始めたとき、イメージがメロディーや歌詞と一緒に湧いてきました。私の音楽スタイルは、私のファッションスタイルにとても似ていると思います。私は遊び心を持って、ある美学から別の美学へと移り変わりながらも、一貫したテーマを探し続けています。

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シャネルのキャンペーンでマンハッタンの街角を歩くジェニー。photography: Chanel

ーーシャネルのスタイルのどこに魅力を感じますか?

タイムレスなエレガンスです。シャネルの作品は決して古びることがありません。非常に若い頃にシャネルを知りました。ファッションについてはまだ何も知らなかったのですが、これらの服には何か強いものがあると感じたことを覚えています。後に、ガブリエル・シャネルの歴史に魅了されました。彼女のように、何にも恐れずに生きる女性たちに心を奪われたのです。社会のルールを変えるような、果敢な女性たち。彼女は一世代を超えて今もなおインスピレーションを与えてくれています。彼女は偉大な遺産を残しました。シャネルの一員であることは、私の人生で最も大きな夢のひとつでした。それは私にとってエレガンスと洗練されたクオリティの象徴であり、そして絶対的なものでもあります。

ーーあなたは新しいシャネルのバッグ"CHANEL 25"のアンバサダーです。このアイテムは日常生活にどう役立つと思いますか?

このバッグは、スタイルと機能性を兼ね備えた必須アイテムです。どこにでも持ち運べて、必需品をおしゃれに収納することができます。そのシンプルでありながら洗練されたデザインには、持つ人の魅力を引き立てるエレガンスが漂っています。私はこのモデルが特に好きで、肩に掛けても、斜め掛けにしても楽しめます。現代女性のためのバッグで、リラックスしたエネルギーとグラマラスな雰囲気のバランスが絶妙です。私のバッグの中身は、基本的に携帯電話、イヤフォン、充電器。それから、香水、リップバーム、そして歌詞を書いたノートを入れています。歌詞は大体、動きながら思いつくことが多いので、その瞬間に書き留めています。あとは、内面の思いや夢もノートに記録しています。

From madameFIGARO.fr

text: Paola Genone (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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