マイ・フェイバリット・ニューヨーク・ムービー #06　RIE OMOTO（THREE グローバル・クリエイティブ・ディレクター） ニューヨーク裏社会を知る、カッコいい男たちの映画。

いつの時代も映画人をインスパイアし、
数々の映画の舞台となった街、ニューヨーク。
各ジャンルで活躍する、映画とニューヨークを愛する人たちが、
ニューヨークを舞台にした映画の中から、自身のベスト3を推薦します。

ニューヨークの街には、タフな男のドラマが似合う。
抗争を繰り返すブラック・マフィアの白人リーダー、孤独で鬱屈としたタクシードライバー、27歳で夭逝したストリートアーティスト・・・
ニューヨークを拠点として、世界を舞台に活躍する
RIE OMOTOさんが惹かれた、
切なくもカッコいい、ニューヨーク男たちのストーリー。

『キング・オブ・ニューヨーク』

©Everett Collection/amanaimages
 

ニューヨークの暗黒街を舞台に、ブラック・マフィアの白人リーダーの抗争を描いた作品。主演のクリストファー・ウォーケンのクールさと、ローレンス・フィッシュバーンの人間味ある人物像。ふたりとも天才だと思いました。ラップミュージックでダンスするシーンはとってもスタイリッシュで忘れられません。あの曲、Schoolly D の「Saturday Night」は私も何度も踊ってみました。ラストシーンがとても印象的です。ウォーケンがイエローキャブに乗り静かに目を閉じるのですが、街並みからいうとミッドタウンだと思います。観ていて胸が詰まります。この映画は、おそらく男性の方が好まれるかもしれませんね。

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『タクシードライバー』

ロバート・デ・ニーロがニューヨークの街を流す孤独なタクシードライバーを演じた傑作。マーティン・スコセッシの映画のなかでいちばん好きな映画です。インテンスなストーリーがニューヨークの街の風景と相まって、とてもパワフルです。ロケーション場所として使われた、ロウアーイーストサイドにあるKatz というカフェ、いまも変わらず残っています。

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『バスキア』

27歳で亡くなったアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキアの伝記映画。出演者は、ジェフリー・ライト、デヴィッド・ボウイ、ベニチオ・デル・トロ、デニス・ホッパー、ゲイリー・オールドマンなど、私の大好きな人たちが勢揃い。バスキアはストリートアーティストで、トンプキンス・スクエア・パークに住んでいました。バスケットボールをしているシーン、カフェで蜂蜜を使って机に似顔絵を描くシーン、アンディ・ウォーホルに自分の作品を売るシーン、ストリートアートを描き自分のサイン「SAMO」と書くシーン、コートニー・ラヴ演じるビッグ・ピンクに出会うシーン、彼のアトリエ・・・そのロケ場所のほとんどがSOHO、NOHO、イースト・ヴィレッジです。彼のアトリエがあったグレート・ジョーンズ・ストリート近くを通るたびにこの映画を思い出します。実は以前私が住んでいた家は、バスキアが生まれ育った家の2軒隣でした。それを知った時は大興奮でした。近所に住んでいた女性は、彼に似顔絵を描いてもらったと誇らしげに言っていました。とにかく、とてもインスパイアされた映画です。ジョン・ケイルによる音楽もすばらしいです！