フィガロが選ぶ、今月の5冊 偉大な作家たちによる、締め切りの修羅場のぼやき。

Culture 2018.01.10

古今東西、偉大な作家たちの悲痛な叫びに共感。
『〆切本2』

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森鷗外ほか著 左右社刊 ¥2,484

武者小路実篤から、芥川龍之介、ドストエフスキー、松本清張に向田邦子、山崎豊子まで。時代の寵児であるゆえに締め切りのプレッシャーは相当なものであっただろう作家たちによる、修羅場のぼやきを集めた第2弾だ。しかし、多くの作家はまたこうも言う。「締め切りがなければ作品は生まれない」と。思えば、人生は締め切りだらけ。人生最後の締め切りは神のみぞ知るが、終わりがわかっているからこそ、人はもがき苦しみ成長する。そして他人の苦しみは深刻であればあるほど、滑稽でもある。偉大な作家たちの愛すべき呟きに励まされること必至。

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*「フィガロジャポン」2018年1月号より抜粋

texte : JUNKO KUBODERA

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