楽しい気づきに満ちた、鈴木康広のアートを箱根で体験。

誰もが微笑んでしまう、瑞々しい見立ての庭めぐり。

鈴木康広『始まりの庭』

『空気の人（北京）』2017年。とりとめのない空気を緩やかなテリトリーに取り込み浮かぶ人は、未来の所有の形を想起させる。

重力や磁力などの自然現象や見過ごされがちな状況を新たな視点で見つめ直し、日常のふとした発見から、世界を新鮮な感覚で翻訳する作品を制作する鈴木康広。パチパチと瞬きしながら舞い落ちる葉や、ファスナーを開くように海を航行する船など、その瑞々しい「見立て」の庭を散策しながら、子どもも大人も「気付き」の瞬間の痛快な驚きを体験するはずだ。

＊「フィガロジャポン」2017年9月号より抜粋