アルコールと妊娠の関係。その真偽を見分けよう。

Culture 2017.11.27

lalcool-durant-la-grossesse.jpg本当に9カ月間一滴も飲んではいけないの? Photo : istock

妊娠中のアルコール摂取禁止についての記事が週刊誌「L’Obs」のサイトに掲載されて物議を醸している。妊娠中に多量のアルコールを飲むのは、胎児にもよくないのは周知の通り。しかし、本当に9カ月間一滴も飲んではいけないの? 婦人科医師に伺ってポイントをまとめておこう。

妊娠中のアルコール摂取は、この上なくデリケートな問題。アルコールの、とりわけ胎児の発育に及ぼす危険性には注意を呼びかけつつも、なかには比較的寛容な産婦人科医や助産婦もいる。本当のところはどうなっているのか?

胎児が形をなす前の妊娠のごく初期には飲んでもいい?

胎児の脳がまだ形成されていなければ、一杯くらいならお酒を飲んでもたいしたことはない、という言い訳はしばしば聞く。それに、最初の数週間は自分が妊娠していることに気づかず、 いつも通り無邪気にお酒を飲んでいることももちろんある。婦人科医のキャロル・メートル は次のようにいう。「妊娠初期の飲酒は比較的リスクが少ないです。たしかに、その時期はまだ細胞分裂の段階ですから。ですから最初の一カ月間にお酒を飲んでしまっても、それほど深刻ではありません。ですが、現在の段階では、どの時期までならアルコールは危険でないという数字を定める術がありませんから、妊娠判定で陽性反応が出たらただちに飲酒を中止することが望ましいですし、妊娠2カ月目以降は、絶対にやめた方がいいでしょう。6週目から鼓動が聞こえるようになりますし、12週目にはもう大脳半球が形成されます」

赤ワインやシャンパン一杯なら、飲んでも構わない?

妊娠中でも、大晦日の夜は例外、と一杯すすめられたら、ウォッカよりはシャンパン一杯のほうがいい。婦人科の医師もそれは認める。「赤ちゃんへの危険は、アルコール度数と摂取されたアルコールの量に比例します。ですから、シャンパンや赤ワインを一杯飲むだけなら、それほど大したことではありません。妊娠第一期であれば、とくにそうです。ですがもちろん、飲まないに越したことはありません」

アルコールを使った料理を食べるのも避けるべき?

コック・オ・ヴァン、バナナ・フランベ、ババ・オ・ラム……料理に使われたアルコールも、胎児にはよくないのか?「調理してあるからといって、アルコールが完全に飛ぶわけではありません。たとえばババ・オ・ラムには、かなりの量のアルコールが使われています。その上、母体の代謝の状態、体重、アルコール分解能力にもよります。念のため、食べないようにした方がいいでしょう。体に入るアルコールが少ないほどよいのですから。胎盤には濾過機能が備わっていないということも覚えておきましょう。胎児の肝臓にアルコールが直接吸収されてしまうということです」

妊娠後期なら、赤ちゃんの形成期は過ぎているから、一杯飲んでも大丈夫?

妊娠後期に入って、赤ちゃんの脳が出来上がっても、アルコールの摂取はさまざまな疾患の原因となる可能性がある。産婦人科医は次のように説明する。「第3期でも胎児の脳にアルコールに対する耐性がないことに変わりはありませんが、別のリスクが出てきます。身体の器官に関する異常よりも、アルコールは行動障害の要因になるのです。子どもが胎児性アルコール症候群を患うと、たとえば、多動性、集中力の欠陥、顔面の変形といったような症状が表れることもあります」

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texte : Ophélie Ostermann (madame.lefigaro.fr)

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