人間ドラマが秘められた、英国王室トリビア。

Culture 2017.12.01

英ヘンリー王子と米女優メーガン・マークルの婚約が現地時間27日に公式発表され、同日ふたりはケンジントン宮殿内のサンケン・ガーデンでフォトコールに応じた。

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ダイアナ妃が愛したサンケン・ガーデンで、公式では初となるツーショットを披露したヘンリー王子とメーガン。来年5月にウィンザー城で挙式予定。photo : Getty Images

離婚歴があり、オランダ・アイルランド系の父とアフリカ系アメリカ人の母を持つメーガンとの交際は、賛否を巡って世界中のメディアを賑わせたが、ヘンリー王子いわく、メーガンとの結婚は「出会った時から考えていた」とキッパリ。現在、王位継承権が5位のヘンリー王子だから結婚にはある程度の自由があるのだろうけど、ヘンリー王子は運命の愛を貫き通し、かつてのエドワード8世による“王冠をかけた恋”は、古き時代のほろ苦いおとぎ話となった。タブーを打ち破って、変革に情熱を注ぐヘンリー王子とメーガンは、今後も規格外のドラマを振りまいてくれそうだ。

そんなふたりの婚約を祝して、ロイヤルファミリーの人間味あふれるエピソードをピックアップ!王室メンバーそれぞれに秘められたドラマを知れば、彼らも素顔は普通の人だということが透けて見えてくる。

1. エリザベス女王とハンドバッグ。

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1977年、フィジー訪問時のエリザベス女王。女王はハンドバッグからおもむろに口紅を取り出し、人前で化粧直しをしているところをよく目撃されている。photo : Getty Images

エリザベス女王といえば、公務で欠かせないのがハンドバッグだ。とはいえ、ただのバッグと侮ることなかれ。女王のハンドバッグはいくつもの役割を担っていることで知られている。とりわけ有名なのが、英国王室御用達ブランドのロウナー製ハンドバッグで、そのコレクションは約200点。中には40年、50年とかなり年季の入ったものも含まれているという。

気になるその中身はというと、リップスティックと手鏡を筆頭に、教会に寄付するためにきっちり折り畳まれた5ポンド札と10ポンド札、テーブルにバッグを引っかけるためのS字フック、お守り、家族写真、喉を潤すためのミント、愛犬コーギー用のチョコドロップ1袋、新聞から切り取ったクロスワードパズル、タッチアップ用のメイクアップケース、カメラ、日記とアドレス帳、サングラス、読書用眼鏡、ペンナイフ……と実に多彩!

バッグはさらに、侍従や来客への暗号メッセージとしての役割も果たす。昼食会や晩餐会で女王がバッグをテーブルに上に置いたら、そろそろお開きの時間。床に置いたときは、隣のゲストが退屈だから救い出してのヘルプサイン。視察の際に、肩に下げた時はもうここから離れたいという按配だ。その都度、侍従は救いの手を差し伸べる段取りになっている。

2.フィリップ殿下も不倫していた!?

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プラチナ婚にちなんで、プラチナをイメージした公式ポートレートが公開された。1966年に殿下から贈られた思い出深いブローチをつける女王は、今回の暴露本をどう思うのか。photo : Getty Images

11月20日に結婚70周年を迎えたエリザベス女王(91歳)とフィリップ殿下(96歳)は、おしどり夫婦で有名だが、この70周年の記念日というタイミングで、フィリップ殿下が過去に複数の不倫を重ねていたことが暴露された。王室ウォッチャーのイングリッド・シュワードが暴露本『My Husband and I: The Inside Story of 70 Years of Royal Marriage(原題)』を出版。女王と殿下の結婚生活を綴る中で、殿下の愛人として、英女優のパット・カークウッド、ケイティー・ボイル、アンナ・マッセイ、インド出身の女優マール・オベロン、小説家のダフネ・デュ・モーリア、仏女優のエレーヌ・コーデットらを挙げている。事実だとしたら、息子の不倫騒動に寛大だったのも頷ける!?

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エリザベス女王は、同じネイルを28年間使用している。

>>チャールズ皇太子がカミラに執着していた理由、ダイアナ妃が夢中だった作家との奇妙な関係。

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3.チャールズ皇太子と乳母メイベル・アンダーソンの関係。

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1950年、チャールズ皇太子2歳頃、最愛の乳母メイベル・アンダーソンとともに。メイベルの面長の顔だちは、カミラにどことなく似ている!?photo : Getty Images

チャールズの幼少期、多忙な母親に代わって乳母が全面的に子育てを担った。抜擢されたのは、厳格なヘレン・ライトボディとそのアシスタントであるメイベル・アンダーソンのふたり。特に32年もロイヤルファミリーのために尽くしたメイベルに対して、チャールズは「天使のような安らかさ」を与えてくれたと絶賛。退職後はウィンザー城ほど近くに邸宅を与えられ、内装改装の際にはチャールズ自ら指揮をとったほど、チャールズとメイベルは家族同様の絆で結ばれていたという。そんなメイベルだが、若い頃のカミラと瓜ふたつといわれるほどふたりはよく似ているのだとか。チャールズがカミラに執着したのは必然だったのかもしれない。ダイアナ妃も思うことがあったのだろう、母親代わりの乳母は不要とばかりに、自らの息子たちには乳母と一定の距離をとるよう努めた。

4.ダイアナ妃、作家バーバラ・カートランドとの奇妙な縁。

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1997年にクリスティーズのオークション会場で行われたレセプションパーティで、継母レイン・スペンサーと談笑するダイアナ妃。photo : Getty Images

ティーンエイジャーのダイアナは、勉強そっちのけで恋愛小説に夢中だった。特にお気に入りだったのは、ベストセラー作家のバーバラ・カートランドの作品。バーバラは歴史ロマンス小説を得意とし、その作品は723作と多作。これはギネス記録でいまだに破られておらず、日本でも書籍化、漫画化されている。

そんな人気作家バーバラの長女レインが、1977年にダイアナの父スペンサー伯爵の後妻におさまった。一見、ラッキーな巡り合わせと思いきや、ダイアナはこの継母レインのことをどうしても好きになれなかったという。熱心なバーバラの読者だったにも関わらず、その娘とはそりが合わなかったなんて皮肉すぎる!

5.ウィリアム&ヘンリー王子はインド人の血を引いている。

2013年に行われたDNA検査により、ウィリアムとヘンリー両王子はインド人女性の直系子孫であることが判明した。母親であるダイアナ妃の6代前にあたるスコットランド人の先祖が、インド・ムンバイの北にあるスーラトで貿易商として働いていた折、インド人女性と結婚。その子孫がダイアナの母親に当たる。ミトコンドリアDNAは母親からのみ子に伝わる性質を持つので、男性であるウィリアムとヘンリー王子の子どもには受け継がれない。ウィリアム王子がいずれ王位を継承したら、インドの血を引く初の英国王になる。

〈参考文献〉
『王室の秘密は女王陛下のハンドバッグにあり』フィル・ダンピェール&アシュレイ・ウォルトン著 あまおかけい訳 R.S.V.P.刊

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texte: ERI ARIMOTO

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