ロイヤルファミリーの食生活で、驚きの裏話が!

Culture 2018.02.02

日常の献立、非常手段の料理、プラスチック容器、マクドナルド―。元王室料理長が明かす、バッキンガム宮殿の厨房秘話とは?

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ウィンザー家の食習慣は皆が思うほど高貴だったわけでもなさそうだ。Photo:Getty Images

料理長として、何年もの間、英国王室に仕えてきたダレン・マクグレディ。
彼に先頃、MarieClaire.comのイギリス版サイトがインタビューを敢行した。

このインタビューのなかで、女王、夫のフィリップ王配、チャールズ、さらにはダイアナとその子どもたち、ウィリアムとハリーの食生活に関する小さな秘密がいくつも明かされた。“王室メンバーが食べてはいけない食べ物リスト”に次いで、今回もまた驚きの新事実が明らかになったのだ。

まるでレストラン、女王のための日替り献立表

「バッキンガム宮殿では、献立表を作成して女王にお届けし、そのなかからご希望の料理をお選びいただいていました。 献立表が厨房に戻され、それから私たちは女王がお決めになった料理をつくります。厨房には女王が食す3日前に料理がわかるという流れになっていました」と、料理長は明かす。

驚くほどではないかもしれない。エリザベス2世なのだ。自宅に居ながらレストラン並みのサービスを享受してもちっとも不思議ではないだろう。

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ダイアナの非常手段

ダレン・マクグレディはまた、ダイアナ妃の過食症についても触れている。当時、バッキンガム宮殿の職員には病気は知られていなかったが、公妃のボディラインはあちこちで話題になっていたという。彼はこんなことを語っている。

「ある日、公妃は私にこうおっしゃいました。『ダレン、今後一切、油脂はつかわないようにしてもらいたいの。炭水化物の調整やジムとか、自分でどうにか出来ることは自分でするから』。なにもかも一変しました。私はそれまでの調理手帳を捨て、健康的な料理を取り入れました」。そう回想する彼は、続いて驚くべき慣例について語った。

「公妃はよく人の目を欺いていらっしゃいました。『レーガン大統領のためにムースを用意して』と公妃がおっしゃいます。公妃はムースが食べられません。マヨネーズとクリームが入っていますから。そこで公妃はこうつけ加えるのです。『私には油脂の入っていないものを用意してちょうだい』。私はその通りにしていました。お客様がいらっしゃる時には、よくあったことです。公妃には、同席の方々が召し上がるものと同じ料理で、油脂を使わないものをご用意し、誰もその違いに気づきませんでした」

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フィリップ王配はビオ信者ではない

ダイアナとは反対に、エリザベス女王の夫君は、むしろ“ヘルシー”な食べ物が好みではないようだ。ダレン・マクグレディが面白いエピソードを伝えている。

「フィリップ王配が厨房にいらっしゃったことがありました。厨房には、食材の入ったカゴがふたつありました。『おや、これはハロッズから届いたものかな?』( ハロッズは、王室へ商品購入の感謝の意として、バッキンガム宮殿に贈り物の入ったカゴを届けるのを習わしとしている )とおっしゃるので、『いいえ陛下。これはウェールズ公がお持ちになったカゴです』と答えました。王配が戸惑っているご様子でしたので、私はカゴを開き、『ビオの食材が入っています』と言いました。王配は、『ああ、ろくでもないビオか!』とお答えになり、頭を振ってそのまま厨房を出て行かれました」と、まるで昨日起きたことのように語っている。

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いつも豪華な皿で洗練された料理を召し上がっているの?

女王の食事と言えば、すぐに銀食器だの、クリスタルだの、繊細な陶磁器だのを思い浮かべてしまう。しかし、元王室料理長は、女王陛下はタッパーウェアで召し上がることさえあったと言う。「バルモラル(ウィンザー家の避暑地)では、黄色いプラスチック容器から果物を召し上がることもありました」。しかし、安心してほしい。バカンス中にたがが外れることはあっても、普段は、ぐっと女王らしい日常を送られている。ダレン・マクグレディは果物を盛っていた、ある飾り皿を覚えている。「三頭の黄金の馬の像が配された大理石の皿には、ダイヤモンド、ルビー、サファイヤ、エメラルドが象眼されていました。30年前、評価額は50万リーヴル(約7500万円)でした」

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女王も朝食はケロッグ

元王室料理長はそれでも、女王も世間の人と変わらないのだと力説する。「女王陛下の朝食はとてもシンプルでした。ケロッグのシリアルを、ご自分でプラスチック容器に用意されていました。それと、ダージリンティーを」

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普通の王子様、ウィリアムとハリー

ヨーク公爵夫人セーラ・ファーガソンが、あるとき祝宴をドタキャンし、相当な量の食べ物が無駄になった話とか、ディナーの雰囲気はテレビシリーズ「ダウントン・アビー華麗なる英国貴族の館」のディナー・シーンそのままで、その上、食後酒の段になると、バッグパイプ奏者が登場するなど、いくつもの味わい深い逸話に加え、最後に、王子たちだって一般大衆と変わらない、と思わせてくれるエピソードが紹介されている。子どもの頃、ウィリアムとハリーは、多くの子どもたち同様、“ハッピーセット”が大好きだった。

「ある時、公妃が厨房にいらっしゃり、『子どもたちの昼食はキャンセルしてちょうだい。マクドナルドに連れて行くわ』とおっしゃるのです。私は、『とんでもない、妃殿下、私もハンバーガーをご用意できますよ』とお答えしました。すると、公妃は『だめなのよ。子どもたちが欲しいのはおもちゃなの』とおっしゃった」。そう語った後、彼はこう結んでいる。「王子といいましても、味覚は子どもですからね」

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texte: La rédaction (madame.lefigaro.fr)

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