映画監督・齊藤 工について、聞かせてください。 松岡茉優「作品への愛情と、距離感と」
Culture 2018.02.26
映画を愛する俳優・斎藤 工が、映画監督・齊藤 工として初長編作に挑戦、2018年2月3日よりシネマート新宿にて公開され、現在、劇場数を拡大して全国にて順次公開されている。この最新作『blank13』は国内外の映画祭に招聘され、6つの賞に輝いた。
齊藤 工とともに映画を創ったキャスト&スタッフに聞いた「映画監督・齊藤工ってどんな人ですか?」 現在書店に並んでいる最新号2018年4月号でのコメントに加えて、こちらではほぼ全コメント、紹介します!
—齊藤監督から、どのような準備をしてきてほしいなど、リクエストはありましたか?
事前準備の指示は一切ありませんでした。
—齊藤監督に指示された人物像は? また、ほかの映画の引用、どんな映画のどんなシーンを連想してほしいなど、具体的な指示はありましたでしょうか?
具体的な映画やニュアンス、人物像の指定も一切ありませんでした。
—松岡さんへの演技のリクエストや指示で、最もわかりやすかったことと、最も意味を理解するのが困難だったことについて教えてください。言葉がそのまま、記憶に残っているものがありますか?
ラストの火葬場で、「母性」という言葉を使われていたのは印象的でした。
—齊藤監督は、役者から出てくるものを待つタイプですか? それとも撮影現場で振る舞いまで細かく指示するタイプの監督でしょうか?
俳優を信じてくださっているのが伝わりました。具体的な指示や指定、絶対にここはこうしてほしいというようなことはありませんでした。
—齊藤監督は、それぞれの俳優の方々への接し方はまったく同じでしょうか? それとも、あえて違う接し方をする監督でしょうか?
私には同じ雰囲気に見えました。ただ、高橋一生さんとの間には何か違う繋がりを持たれているように見えました。主演と監督の関係性でしょうか。
—いままで組まれてきた映画やドラマの監督の方々と、齊藤監督が異なると思われる部分があったら教えてください。
現役俳優の監督は初めてでした。俳優だからこそのニュアンスの伝わりやすさがあったように思います。「こういう感じ」ということでわかるというか。
—出来上がった映画を最初に観た時、齊藤監督に対して、どんな想いを感じましたか?
作品への愛情と距離感です。
—『blank13』をどのように評価しますか? どんな部分に、「齊藤工監督にしかない創造性」をお感じなりましたか?
葬儀のシーンがああいう演出になるとは思っていませんでした。撮っている時からどういうシーンになるんだろうと思っていたので、こういうのありなんだ!と感動しました。
—いま齊藤監督にどんな言葉をかけたいですか?
日々の活動、本当にお疲れさまです。いよいよお客さんに見てもらえるのがうれしいですね。
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1995年2月16日生まれ。2008年本格的デビュー。近作に、『勝手にふるえてろ』(17年)、『ちはやふる-結び-』(18年)など。18年6月には、是枝裕和監督最新作が公開される。『blank13』では、コウジの恋人役を演じる。
映画『blank13』は家族の物語である。妻と息子ふたりを残し忽然と消えてしまったひとりの男=父親と、残された家族が、13年後、父が余命3ケ月の状態で息子(次男)と再会し、逝き、葬儀へといたる。その過程を、登場人物たちの心の経緯をなぞるようなかたちで表現された映画である。実話を軸にしている。
『blank13』
出演/高橋一生、松岡茉優、斎藤 工、神野三鈴、佐藤二朗、リリー・フランキーほか
監督/齊藤 工
2017年、日本映画/70分
配給/クロックワークス
シネマート新宿にて公開中、2月24日より全国順次公開
Ⓒ2017「blank13」製作委員会 photos : LESLIE KEE