ずっと浸りたい、ソフト・グラスの極上ドリームポップ。
Culture 2018.03.25
『オレンジ・アース』/ソフト・グラス
Pヴァイン ¥2,592
オレンジ色に染まった夕焼け空に映えるシルエット。このアートワークから想像できるとおり、オーガニックな質感の美しいポップチューンを奏でるソフト・グラスことジョアン・ゴンザレスは、いまブルックリンで最も話題性の高いクリエイターだ。ハワイやウェストコーストを思わせるピースフルな空気感は、至福の時間を提供してくれる。
ジョアンの父親は、超絶技巧で知られるラテンジャズ界の鬼才キューバ人ピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバだが、本作の穏やかな世界は非常に対照的ともいえる。アコースティックとエレクトロを絶妙にブレンドし、煌めくような輝きに満ちたサウンドは、まさに桃源郷のBGM。往年のフォークロックやソフトロックに影響を受けながら、ジャズやヒップホップの要素を取り入れているのも斬新。何か心地よい音が欲しい時には、最初に引っ張り出したい一枚だ。
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*『フィガロジャポン』2018年3月号より抜粋
réalisation : HITOSHI KURIMOTO