舞台はNY、懐かしき青春の日々を思い出す物語。

Culture 2018.05.30

スイートビターな青春物語に、驚きと励ましの視界が開ける。

『さよなら、僕のマンハッタン』

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いまを生きる青春の喪失感に「失われた街」を対応させ、そこに1970年代風のニューヨークの刺激と危険を持ち込んだ心躍る会心作だ。片思いに悩むトーマスは父が愛人を連れた場に偶然出くわし、女を尾行。その妖気に惹かれてゆく。父子の物語と「年上の女」物語を掛け合わせた青春譜は、指南役めいた謎の作家(ジェフ・ブリッジス)を交えて思いがけない関係性を浮上させ、私たちを幻惑する。サイモン&ガーファンクルの佳曲「ニューヨークの少年」が要所で奏でられ、ウェブ監督が育った街への捧げもの的映画ともなる。

『さよなら、僕のマンハッタン』
監督/マーク・ウェブ
2017年、アメリカ映画 88分
配給/ロングライド
丸の内ピカデリーほか全国にて公開中
www.longride.jp/olb-movie

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*「フィガロジャポン」2018年5月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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