ダイアン・クルーガーが熱演、家族を奪われた女の決断。
Culture 2018.06.15
欧州の移民問題をバックに、母にして女の悲憤が沸騰する。
『女は二度決断する』
移民人口比が高いドイツのハンブルク、トルコ系の夫と幼い息子をカティヤは白昼の爆発事件で瞬時に失う。移民街を狙ったネオナチの若い男女の無差別テロか。これを在住外国人間の抗争とにらんだ警察の初動ミスから、証拠不十分の中での裁判劇へ。カティヤは、やり場のない怒りと悲しみを胸の底に溜め、限界状況に臨む意志の女だ。彼女の「決断」にダイアン・クルーガーが全霊を注ぎ、カンヌ国際映画祭主演女優賞に輝く。放免されて海辺で戯れるカップルをカティヤが独自に追跡する終局は、胸が張り裂けそうになる。
『女は二度決断する』
監督・脚本/ファティ・アキン
2017年、ドイツ映画 106分
配給/ビターズ・エンド
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中
www.bitters.co.jp/ketsudan
監督・脚本/ファティ・アキン
2017年、ドイツ映画 106分
配給/ビターズ・エンド
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中
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*「フィガロジャポン」2018年6月号より抜粋
réalisation : TAKASHI GOTO