女性にとって最も危険な国に、アメリカがランクイン。

Culture 2018.07.24

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2018年1月20日、ワシントンD.C.のホワイトハウス前で行われたウィメンズ・マーチ。 © UPI/amanaimages

英トムソン・ロイター財団は、女性にとって最も危険な10カ国のランキングを発表した。 西側諸国ではトランプ大統領率いるアメリカが唯一含まれている。

いまだに多くの国で女性たちが差別を受け続けている。第1回目の「女性にとって最も危険な国」レポートから7年が経過し、トムソン・ロイター財団は先ごろ第2回目の調査結果を発表した。調査を開始以来、今回初めて西側諸国から、アメリカが10位にランクインした。

2011年の前回の調査では、最も危険な国としてアフガニスタン、コンゴ民主共和国、インド、ソマリアが特定された。今回2018年の調査では、順位は入れ替わったものの、それらの国々は引き続きランキング入りし、サウジアラビア、ナイジェリア、イエメン、アメリカ合衆国が新たに加わった。

同調査は、5つの評価項目:医療へのアクセス、差別、女性差別的な文化、性暴力、人身売買に基づいてトムソン・ロイター財団が行ったものである。おおよそ550名の専門家がそれぞれの項目に関する複数の質問に回答し、それらの回答を元にランキングを検討したものである。

インドでは1時間に4件の性暴行事件が発生

1位はインド、続いてアフガニスタンが2位、シリアが3位にランクインした。インド国内での性暴行事件は頻繁にニュースで取り沙汰されている。インド政府の発表によれば、2007年から2016年の間に女性への性暴行事件は83%も増加し、さらに深刻化しているという。1時間に4件の性暴行事件が発生している。また女性たちの多くが、女子新生児の殺害、強制結婚、アシッドアタック(強酸を用いた攻撃)などの古い慣習に晒されている。内戦が続くアフガニスタンとシリアでは多くの女性たちが医療を受けることができず、働く機会を得ることも困難だ。さらに兵士や政府軍による性暴行も深刻だ。「Woman Now for Development」のディレクターであるMaria Al Abdeh氏によると、家庭内暴力や児童婚も増加していると言う。国際機関などによる長年の献身的な努力にも関わらず、疫病も増加の一途をたどる。

#MeTooの影響

トランプ大統領率いるアメリカ合衆国は西側諸国で唯一ランキング入りした。全体の順位としては10位だが、性暴力の項目では3位にランクインしている。米映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによるセクハラ騒動やこの事件に端を発したセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」が今回のランクインに大きな影響を及ぼした。また、今回の事件はアメリカ社会のハラスメントや性犯罪などの暗部を改めて浮き彫りにした形となった。現在もその社会的影響はアメリカ全土に広がっており、今回の調査結果でも、アメリカが女性にとって危険な国と世界中に知られる結果となった。#MeTooの社会的影響は国境を越えて世界中に広まっている。

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texte : Baptiste Erondel (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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