イザベル・ユペールが高級娼婦役に挑んだ『エヴァ』。

Culture 2018.07.28

新作が書けない脱出口を求め、宿命の女に男はつんのめる。

『エヴァ』

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上昇志向の強い男娼ベルトランは、上客だった老作家の遺作を盗用。気鋭の劇作家として演劇界にデビューする。美しい妻も得る。だが、待望の次回作が書けず、急かされては引き延ばす。犯罪が綻ぶ手前のもがきは息苦しいほど。戯曲のネタ欲しさか現実逃避か、合わせ鏡のような野心家の高級娼婦エヴァ(イザベル・ユペール)に彼はのめり込む。氷の中の炎のような、官能と破局のせめぎ合い。同じハドリー・チェイスの原作小説への接近法の違いを、ジャンヌ・モロー主演の名作『エヴァの匂い』と比べてみるのも一興だ。

『エヴァ』
監督・共同脚本/ブノワ・ジャコー
2018年、フランス映画 102分
配給/ファインフィルムズ
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中
www.finefilms.co.jp/eva

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*「フィガロジャポン」2018年8月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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