髪の色は、女性のキャリアを左右するのか?

特集

シリコンバレーの会社でCEOの女性が、「真面目に見られる」ために髪を暗く染めたという話があった。女性の髪の色は、仕事に関係するのだろうか?

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シリコンバレーの会社でCEOを務める女性が、仕事で男性から評価されやすいという理由で、ブロンドヘアをブラウンヘアに染めたという。 Photo:iStock

生まれつきブロンドヘアでGlassbreakers社CEOのアイリーン・キャリー氏は、「仕事で実績を上げるには、髪の色をブラウンに染めたほうが有益だと言われました。なぜならそのほうが男性から認められるからです」と、受けたアドバイスを文字通り実行したという。BBCのインタビューの際には、自分の髪を染めた理由は、職場での信頼を勝ち取るためだけだと打ち明けた。女性にとって、すでに容姿について制約を強いられている仕事環境の中で、心配になる以前に、驚くような話だ。

社会学者ジャン=フランソワ・アマディユ氏(*1)の統計では、「ブロンド女性は、ある程度の地位まではポジティブに認識され、イメージに合う仕事であれば見つけることができます。ただ地位の高い職種になると、途端にチャンスが減っていきます」と記録されている。事実、景気が大幅に落ち込んだ2009年にイギリスのチェーン店Superdrugが依頼した調査によると、生まれつきブロンドヘアの女性のうち31%が、職場で知的な印象を与えるために、髪の色をブラウンに染めたという結果が出ている。またそのうち38%が、昇進する上で自分の髪の色が不利に働くと感じていると答えた。

*1 社会学者で、生理的因子と社会淘汰研究の専門家。また差別に関する研究所でディレクターを務め、パンテオン・ソルボンヌ大学で教授として科学を教えている。著書に『La société de paraître : Les beaux, les jeunes…et les autres (仮の社会:美人、若者……そして他人)』(2016年、Odile Jacob刊)。

性差別についてどう考えるべきか?

この認識の問題には、性差別が関係していることに疑いはない。アイリーン・キャリーン氏のケースにおいて言えば、髪の色を変えた理由として避けられない事実だった。「ブロンドでいるほうがよくバーで口説かれました。テック業界で成功するには、なるべく男性の関心を引かないようにしたいです。特に性的な関心は一切嫌です」

つまり50年代のポップカルチャーから受け継がれてきた、“美しくておバカ”と言ったブロンドヘアの女性に対する固定観念、「ブロンドヘアは、誘惑を連想させエロティックである」と捉える風潮がいまだにあると、ジャン=フランソワ氏は語る。

ブロンドの復讐

バービー人形からマリリン・モンロー、映画『キューティ・ブロンド』(2001年)のエル・ウッズ、映画『ミーン・ガールズ』(04年)のレジーナとカレン、ドラマ「リバーデイル」のベティなど……ブロンド女性は、物語の中で一見ステレオタイプなイメージから解放されていくように見えて、それでもなお、おバカで、貞淑で天然な女性として描かれている。

まさにそのことが原因で、女優のエイミー・アダムスは髪の色を赤毛に染めたという。「ニューヨーク・タイムズ」の会見でも、「ブロンドヘア時代は、みんな自分が同じタイプの役しか演じられないような目で見ていました。それが髪を染めてからは、挑発的でおバカな役ではなく、エキセントリックで面白い役柄を演じることができるようになりました」と語っている。ブロンドヘアのイメージは、どの業界でも偏見が残っているのだ。

しかし最近では幸いにも、12年にグーグル社の副社長からヤフー社のCEOに転身したマリッサ・メイヤー氏、IBM社のヴィルジニア・ロメッティ氏、また政治界ではヒラリー・クリントン氏と、ブロンドヘアの女性が活躍し、髪の色に左右されずに目的を果たすことができることが実証されてきている。髪の色がどうであろうと、関係はない。

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ブロンドへアの誘惑に負けたセレブたち

16年のアメリカン・ミュージック・アワードにて、ニューヘアで復帰を遂げたセレーナ・ゴメス。 Photo : Getty Images

ドラマ「GIRLS / ガールズ」のマーニー役で一躍有名になった、アリソン・ウィリアムズ。ラストシーズン終了後はすっかり役から解放されたのか、ブロンドヘアに。新しい人生のための新しいへアスタイル? Photo : Abaca / Instagram @aw

オリヴィア・ワイルドは、クリステン・スチュワート&ケイト・マーラ風のヘアスタイルに大変身! Photo : Abaca / Instagram @oliviawilde

へアスタイルにおいて、クリステン・スチュワートに恐いものなし。ブラウンとレッドの後は、大胆なブロンドに! Photo : Abaca

いままでは部分的にブロンドのメッシュを入れていたエミリー・ブラントだが、今度は根元から髪の先まで完全なブロンドヘアに! Photo : Abaca / Instagram @_emily_blunt_

最近プリンセス風のプラチナブロンドヘアを披露したソフィー・ターナー。気まぐれイメチェン? もしくはドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズの次なる役作り? Photo : Getty Images / Instagram @sophiet

ブロンドヘアに躊躇なくスタイルチェンジしたジェニファー・ローレンス。映画『ハンガー・ゲーム』(12年)の主人公を気持ちよく断ち切るため? Photo : Abaca

映画『スパイダーマン』(12年)に出演以来、赤毛とブロンドヘアの間を定期的に行き来しているエマ・ストーン。今回はブラウンヘアからブロンドヘアに一新。 Photo : Abaca

もっぱらダークブラウンヘアがトレードマークだったケイト・マーラの妹のルーニー・マーラ。2016年には全ハリウッドを魅了するプラチナブロンドヘアに。 Photo : Abaca / Instagram @ronneymaradaily

1999年のスクリーン・アクターズ・ギルド・アワードにてブロンドヘアで登場し、大注目を浴びた子悪魔、アンジェリーナ・ジョリー。 Photo : Getty Images

テイト・テイラー監督の映画『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(11年)で、赤毛ヘアからまるで別人のようなブロンドヘアに変身したジェシカ・チャスティン。 Photo : Getty Images

アン・ハサウェイは女性らしさに嫌気がさしたのか、13年にショートヘアのプラチナブロンドに。ブラウンヘアで小鹿のような眼差しの彼女による革命的な大変身。 Photo : Getty Images

15年のパリ・ファッションウィークにて世間を驚かせたキム・カーダシアンのプラチナブロンド。 Photo : Getty Images

大胆なヘアーカラーチェンジのパイオニアのひとりといえば、マドンナ! Photo : Getty Images

ティム・ストーリー監督の映画『ファンタスティック・フォー』(05年)でブロンドヘアに変身したジェシカ・アルバ。その後プライベートでもすっかり気に入っている様子。 Photo : Getty Images

艶やかなブラウンヘアから、ウッディ・アレン監督『ミッドナイト・イン・パリ』((11年)のプレミア上映で、ウルトラグラマラスなブロンドヘアで登場したレイチェル・マクアダムス。 Photo : Getty Images

ロングヘアからショートヘアへの変身もさることながら、バズ・ラーマン監督の『華麗なるギャッツビー』(13年)では、レオナルド・ディカプリオの隣でブラウンヘアからブロンドヘアで登場したキャリー・マリガン。 Photo : Getty Images

ほかの人よりちょっとエキセントリックな髪型にチャレンジしても、何でも似合ってしまうのがリアーナの顔の特権! 過去にはブロンドヘアにも。 Photo : Getty Images

映画『タイタニック』(97年)で魅せた赤毛ヘアから、神々しいブロンドヘアに変身したケイト・ウィンスレット。レオ様が惑わされるのも納得? Photo : Getty Images

texte : Julia Avellaneda (madame.lefigaro.fr), traduction : Sawako Yoshida

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