眠れない時に心がけたい、7つのこと。

Culture 2018.07.31

これは不眠症に間違いない――そう確信したあなた。ついに睡眠導入剤を飲むしか手はないのだろうか? 悩む前にまず、睡眠専門医のアドバイスに耳を傾けてほしい。スムーズに眠りにつくヒントがあるかもしれない。

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液晶画面のバックライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を阻害する。 photo:Getty Images

「睡眠」とか「穏やかな夜」といった名前のハーブティーを飲む? それとも化学的な解決策を検討すべき? なかなか眠れない日が続く時、まずは習慣を見直してみたい。「薬を飲まなくても、ちょっとしたことに気をつけるだけで睡眠の質は十分に改善できます」と言うのは、睡眠障害専門医で『Dormir sans médocs ni tisanes(薬もハーブティーもいらない安眠法)』共著者、フィリップ・ボーリユ。そのアドバイスを紹介しよう。

静かに過ごす時間を作る。

テレビドラマシリーズの一気見、SNS、翌日のプレゼン準備……あなたの夜は、休息の時間と呼ぶにはほど遠い。「活発に活動している状態から睡眠状態へ、脳は瞬時に移行できません。脳が緊張を解くには時間が必要なのです」とボーリユは言う。どうしてもやらなければならないことは、夕食のすぐ後にすべて終わるように計画し、その後に1時間を限度に自分のための時間を取り、それが過ぎたら光量を落としてリラックス。静かに時間を過ごすうちに、子どものように自然に眠気がやってくる。

デジタル機器を使わない。

就寝前にインスタグラムをついつい見すぎてしまう、お休みツイートを送信、友達のフェイスブックに「いいね」を押す。そしてようやくスマートフォンを手放し、夢と眠りの神モルペウスの腕の中へ……。だが、その頃にはモルペウスはもう待ちくたびれている。よくある光景だ。あなたのスマホ依存が、モルペウスとの間に壁を作っているのだ。「液晶画面のバックライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を阻害します。そのうえ、スマホをオンにしたままそばに置いておくと、いつまでも過覚醒状態が続いてしまいます。いつでも人とつながれる時代ですが、これでは寝つきはよくなりません」とボーリユ。スマホは寝室外に置くのがベスト。目覚まし代わりにしているなら、機内モードにしてベッドから離れたところに置くこと。

ハーブティーも風呂も逆効果。

キッチンの棚には、安眠効果を謳ったハーブティーをいくつも備え、ベッドに入る直前には必ず熱いハーブティーを飲む。何年も続けている習慣なのに、パッケージが約束する穏やかな夜は訪れない。キャッチコピーは嘘なの? 「熱いハーブティーは体温を上昇させますが、入眠時、体は冷えていないといけません」。寝る直前に水分を摂ることも、膀胱が張って夜間に目覚める原因になるという。水分摂取は少なくとも就寝の2時間前まで。その後は、子どもと同じように、「歯磨き、おしっこ、おやすみ」だ。

ハーブティー同様、熱い風呂も実は眠りには逆効果。体は冷えていないといけないのに、体温が上がってしまう。毎晩の習慣として欠かせないというのであれば、少なくともベッドに入る2時間前までに入浴は済ませること。熱すぎる湯は避けて、ぬるま湯で入浴しよう。

ベッドで過ごす時間を減らす。

眠気が訪れるのを待ちながらベッドで横になっている時間が長いほど、眠れる確率は低下する。「不眠症に悩む人たちは、ベッドで過ごす時間を長くしがち。そのことでベッドと眠りの間にネガティブな結び付きができてしまいます。そうなると睡眠そのものが不安の種になってしまうのです」とボーリユは注意を促す。寝室をストレスの場ではなく、安らぎの場とするためには、眠るために費やす時間を短くすることだ。まず起床時間は一定にしたい。

そして、ベッドで「過ごしてもいい時間」、つまりあなたの平均睡眠時間を基に、ベッドに入る時間を決める。たとえば平均睡眠時間が6時間で、朝7時に起きる場合、前日23時にベッドに入るのではなく、1時にベッドに入る。本当に必要な時に初めてベッドに入るというわけだ。これでかなり早く寝付けるようになる。睡眠時間を延長したい場合には、15分単位でベッドに入る時間を早めるようにするといい。

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ソファでうとうとしない。

一番気持ちのいいシエスタ、それは夜テレビの前でうとうとすること。 でも、それがおそらくあなたの眠りを妨げる原因にもなっている。「ベッド以外の場所で眠る習慣が付くと、その場所が睡眠の場として定着してしまいます」とボーリユは言う。このソファでの数分間のうたた寝が体力を回復させ、その後の寝つきを悪くする原因となってしまう。だからマットレスの上以外では寝ないこと。

時計を見ない。

0時42分、1時23分……夜中に目覚めるたびに、目覚まし時計を見て「眠れない」と嘆くあなた。こんなことはもうやめよう。「時計を見ると、効率や計算という論理が起動してしまい、余計に目が冴えてしまいます」。夜中に目が覚めてしまったら、暗闇を見つめてもう一度眠ること。

シエスタを計画的に取る。

眠れない夜が続くと、19時頃に抵抗しがたいシエスタの誘惑が訪れる。これ以上不眠に苦しみたくなければ、この誘惑に屈してはいけない。「人間は夜と午後の始めに休息を取るようにプログラムされています。でたらめな時間に眠るとか30分以上眠るなどして、シエスタの時間が乱れると、体内時計が狂ってしまいます」とボーリユは言う。こうなるとシエスタも逆効果。シエスタを取るなら、13時から14時半の間にしよう。それを過ぎたら、夜まで待つことだ。

フィリップ・ボーリユ、オリヴィエ・パランカ共著『Dormir sans médocs ni tisanes(薬もハーブティーもいらない安眠法)』マラブー出版、19.90ユーロ

あなたの寝相からわかること。

非言語コミュニケーションの専門家オルガ・シエスコが、眠りの姿勢を分析する。

ヒトデのように眠る
リラックスし、安心している時に、体を伸ばして寝る傾向があります。大の字に近い姿勢は、支配欲の表れでもあります。
photo:iStock

仰向けで眠る
周囲の環境に面と向かっている姿勢です。不安もなく攻撃される危険性もなく、身を隠す必要がない状態。外界から身を守るためのコクーンを作る必要性や欲求を感じていないということです。
photo:Getty Images

うつ伏せで眠る
周囲の環境の影響を完全に遮断することはできませんが、 外界に対して背を向けて、ベッドと眠りに集中しようとしています。光や音など眠りを妨げるものから身を守ろうとしているか、自分の家以外の場所で寝る場合など、特にそのことに不満を感じている時に、この姿勢になります。ぐっすり眠りたい時はこの姿勢で寝るといいでしょう。
photo:Getty Images

枕の下に両手を入れて寝る
多くの場合、手で何かに触れるのは精神を安定させ、ストレスを軽減させる効果を直ちに得たい時です。この場合、手が触れている対象は、子どものぬいぐるみと同様に人の代理としての機能を果たしています。
photo:iStock

クッションを足で挟んで寝る
クッションがぬいぐるみと同じ機能を果たしています。 精神を安定させ、ストレスを軽減させる効果が得られます。
photo:iStock

手が体の一部に触れた状態で寝る
枕の下に両手を入れて寝るのと同様、 精神を安定させ、ストレスを軽減させる効果を直ちに得たい時です。手が(腹部や上半身などの)肌に触れた状態で寝る場合も原理は同じです。
photo:iStock

胎児のポーズで寝る
関節を曲げた姿勢で眠るのは、身体的な疲労を鎮めたい、健やかな気分になりたい、心身の安らぎを取り戻したいといった欲求がある時です。この姿勢が快適なのは、母親の胎内にいたときと同じ姿勢だからです。
photo:iStock

texte : Sevin Rey (madame.lefigaro.fr)

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