時代を切り拓け! 世界の注目クリエイター。 バンコクのクリエイターが作る、ヌードルスツールとは。

Culture 2018.08.08

オリジナルな発想で時代に風穴を開け、見たことがないものを創る。エネルギッシュな勢いのある、若手クリエイターたちにインタビュー。

|バンコク|

物語の先に、鮮やかな作品づくり。

サラン・イェン・パニャ (クリエイティブディレクター)

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Saran Yen Panya

1984年、バンコク生まれ。ストックホルムのコンストファック芸術工芸デザイン大学ストーリーテリング学科卒業後、56th Studio主宰。グラフィック、プロダクト、空間、アニメーションなど幅広く活動。

 

誰にも気に留められないものに惹かれる。一見アグリーなものの中にある、美しさを証明していきたい。

 

「形態は機能に従う」とは、20世紀のデザインのあり方を定義したアメリカの巨匠建築家ルイス・サリヴァンの名言。だが、21世紀のバンコクを拠点にスペクタクルな世界観を生み出しているクリエイター、サランのアプローチは「形態はストーリーに従う」というもの。プロダクトもブランディングもすべて物語仕立て。そこに“ヴァナキュリスティック”(ヴァナキュラーとフューチャリスティックの造語)というスタイルで、その土地に息吹く物語を近未来的に表現していく。たとえば新作の「ヌードルスツール」は、屋台で使われる典型的な椅子の座面にヤンキー風の刺繍を施したプラスティックのゴザを貼った作品。ローカルの麺屋に置くことで、見慣れたはずの風景が少し更新されたように見える。引く手あまたに活躍するサランだが、その大胆な表現からは想像がつかないほど、ささやくように話す物腰の柔らかいキャラクターだ。そんなギャップも、また彼の物語に引き込まれてしまう理由なのだろうか。

*『フィガロジャポン』2018年8月号より抜粋

réalisation : IKUKO YOKOYAMA

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