香取慎吾&祐真朋樹、ショップづくりを語る!

Culture 2018.08.27

香取慎吾とスタイリストの祐真朋樹が、パーマネント・ポップアップショップ「ヤンチェ_オンテンバール」をスタート! 「サンヨー」「マインデニム」「ヴァジック」「ステア」「ボルサリーノ」など人気ブランドとコラボレーションした、ふたりならではの服づくり。2018年10月号(8月20日発売)のフィガロジャポン本誌では、自分たちが作った服に身を包んでファッション撮影を敢行。新プロジェクトを始めることになった経緯や、生産者の工場を訪れた制作の舞台裏についても語っていただきました。ここでは、誌面でお伝えしきれなかった座談会のすべてをお届け。

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自分たちが作った服に身を包んでファッション撮影を敢行。 香取慎吾:ウールチェックコート(リバーシブル)¥167,400/J_O×サンヨー、ワイドDNM¥38,880/J_O×マインデニム(ともにヤンチェ_オンテンバール) タートルニット¥237,600/ルシアン ペラフィネ(ルシアン ペラフィネ 東京ミッドタウン店) シューズ/香取慎吾私物 祐真朋樹:チェックコート(2ウェイレングス)¥156,600/J_O×サンヨー、コーデュロイフレアパンツ¥34,560/J_O×マインデニム(ともにヤンチェ_オンテンバール) タートルニット¥56,160/アミ アレクサンドル マテュッシ(アミ オモテサンドウ) シューズ/祐真朋樹私物

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――今回、ブランド&ショップ「ヤンチェ_オンテンバール」をふたりで始めることとなった経緯を教えてください。

香取慎吾(以下香取)  それについては、話したことなかったね。このインタビューで初めて話すかな。

祐真朋樹(以下祐真)  何から話したらいいんだろう。前に一緒に作った、慎吾ちゃんの本『服バカ至福本』(集英社刊)から話せばいいのかな?

香取  僕ら、付き合いは何年くらいだろう?

祐真 かれこれ25年くらいかな。1994年に初めて一緒に仕事したから、24年か。『服バカ至福本』を一緒に作ったのが4年前だね。

香取 その時は、将来的にふたりで何かやろうみたいな話はなかったですね。でも僕にとって、服の師匠はずっと祐さん。僕の、このファッション人生を作った人なんでね。服バカの師匠。

祐真 本当、ありがたいことを言ってくれるよね。まあ僕らは長い付き合いで、慎吾ちゃんが若い時から僕が服を用意していて。多分それを通して、慎吾ちゃんも服に興味を持ってくれたんですよね。彼も出会った頃はまだ若かったから、いろいろなものに触れていって、その成長の合間、合間にいろいろな服を用意して……って、やっているうちにどんどん服の話で盛り上がるようになってきたんですよ。現場ではいつも服の話で盛り上がってたもんね。

――服を着ることと、作ることは別のアプローチだと思うのですが、なぜ作ることになったのでしょうか?

香取 実は僕、「祐さん、服は作らないの?」ってずっと聞いていたんですよ。で、僕も「やらないの?」って、祐さんにずっと聞かれていて。その頃は、ふたりとも「やらない」と答えていました。お互いに、そんなに服が好きなのになんで何もやらないの?って思いながら、そんな話をよくしていました。

祐真 ふたりとも服を着るのが好き、というのが大前提。僕も自分で制御が効かないくらい買うんですが、それを上回る勢いで買うのが慎吾ちゃん。だから、彼がどのくらいの服を持っているんだろう?っていうのは、ずっと気になっていたんです。僕も膨大な量の服を持っているんだけど、慎吾ちゃんに「祐さん、その服たち、どうしてんの?」って聞かれたりして。「そりゃ、全部あるよ。捨てられないからね」って、そんな話をしてたこともある。いい服がたくさんあるなら、本を作ろう!ということになって、『服バカ至福本』をやることになったんです。それで実際に慎吾ちゃんの家に行って、服を全部出して見せてもらって。そしたら、とても綺麗に整理整頓された状態で服が収納されているわけですよ。僕の場合は、もっといい加減なんだけど(笑)。そのワードローブを見た時に、この人はデザイナーよりも服が好きなんじゃないかな、なんて思った。それで、僕が慎吾ちゃんに言ったんですよ。「一緒に服の店とかやったら、おもしろいんじゃない」って。そんなやりとりがあったと思うんだけど。

香取 あった、あった。「そうだね、一緒にやるんだったらいいね」って話した。もしふたりが別々で店をやるという話だったら、返事はやっぱり「やらない」だったけど。

祐真 ひとりでは、やらなかったね。やっぱり服は着るほうが楽しいと思っているし、作る苦しみをひとりで抱えるのは大丈夫かなって気持ちがあった。まあ、そんな感じで、とても軽い気持ちで「店とか一緒にやる?」って、話していたことがあったんだよね。

香取 それで去年、僕が何か新しいことを始めようと思ったタイミングで、さあ何をしようかな?どんなことができるかな?って考えた時、この話を思い出した。それで祐さんに、「ブランドかショップかまだわからないけれど、服のプロジェクトをやらない?」って声をかけてみたら、「いいよ、やろうか!」って、さらっと返事をもらった。それが出発点だね。

祐真 そのオファー、快諾しましたね。ふたりならおもしろいかな、と思ったから。

香取 僕もひとりなら、やってなかった。いまだにやることはないと思う。

祐真 ふたりとも、服が好きっていう大きな共通点があって。立場は違うけど、それもおもしろいかなと。初めは具体的なアイデアはなくて、お店?セレクトショップ?ブランドにする? みたいな感じでスタートしたんだよね。

香取 1年弱の間で、実際に形になってきて「パーマネント・ポップアップショップ」っていう形の店にしようかという話になって。ブランド名も決めることになった。

祐真 ブランド名の「ヤンチェ_オンテンバール」は、もともと慎吾ちゃんが持っていたアイデアで。それいいねってなった。

香取 普段から、いいなと思った言葉とかメモを残しているんですが、その中にヤンチェとオンテンバールって言葉が別々に入ってたんです。それを繋げて「ヤンチェ_オンテンバール」という言葉にするのも、僕の頭の中のどこかにあったのかもしれない。

祐真 初めて聞いた時に、あ、音がいいなと思って。オランダ語でやんちゃな男の子とお転婆な女の子の語源だと聞いて、それもいいなと。

香取 メンズもレディスも、どちらもやってみたかったしね。僕はレディスの服も大好きで、たまに着ることもある。

祐真 レディスの服、現場に着て来てたよね。その昔、レディスのシャネルのコートを着てたの覚えてる。

香取 ヤンチェとオンテンバールをアンダーバーで合わせることで、なんとなくジェンダーでも繋ぐというか。やんちゃな坊主とお転婆娘なんだけど、繋がることによってメンズとレディスだけでなく、全部トータルで見せることができるかなって。僕が描いたブランドキャラクターも、半分が男の子で半分が女の子なんです。

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――では実際に、服づくりはどのように進められたのでしょうか?

香取 本当に、その場その場で決めていく感じだったかな。内容も、どんどん変わっていったしね。

祐真 当初はセレクトショップで考えていたから、どんなブランドを置こうか、なんて話したりしていたんですよ。僕らは服が好きだし、実際に普段買っているようなものを並べて、欲しいものを集めた店にするという案もあったけど、でもちょっと待てよ、ってね。セレクトショップを作って、自分たちが普段着ているような服を買いつけることができるのだろうか?ってことに論点が変わって。それなら、自分たちと一緒に服を作れるところをあたってみようかと。「サンヨー」のように長い歴史や技術を持つブランドや、僕も個人的に長い付き合いがあるスタイリスト野口強さんの「マインデニム」とかね。「マインデニム」はデニムにすごくこだわりがあるブランドで、身近な存在でもあるし、お願いできないかなと。「ヴァジック」はデザイナーさんがとてもおもしろい人で、一緒に何か作れるかもという話になって。そんな感じで、セレクトショップじゃなくていいんじゃないの?という流れになっていったんです。

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「マインデニム」のブランドディレクター野口強と打ち合わせ中。

――自分のワードローブに加えたい服が、服作りのルーツになっているのでしょうか?

香取 実は、そのあたりが少し難しかった。祐さんは「慎吾ちゃんの好きなものでいいから」って言うんだけど、自分で選んで自分のために買っている服とは、やっぱり考え方が違うんですよ。だから僕は、これ好きだけど売れるのかな?みんなは好きかな?とかって考え始めてしまう。そうすると、祐さんが「いやいやいや、慎吾ちゃんがいいと思うものでいいんだから」って、また言うの。だから作ってて悩んでしまう時には、「いやいや、僕が好きなものでいいんだ」って、自分に言い聞かせてましたね。とにかく「これ、よくない?」って感覚を信じて、最後まで乗り切った感じ。悩みながらも、自分が買わないもの、着ないものは作らなかったかな。もちろん、レディスは着ない服もあるけど。

祐真 あんまりね、マーケティング的な視点は持たなくていいかなと思っていて。そんなことを考えると、この企画自体をやる意味がなくなっちゃうんで。お互いに個性を尊重してやるべきだと思いました。

香取 これもあった方がいいんじゃない?って、ふたりでなんとなく進んでいって。この服がほしいからこれを作って、じゃあ流れでこっちも、みたいなアイテムもあったんだけど。最後には「慎吾ちゃん、これ着る?」「祐さんは着る?」ってなって、ともに「着ない」と。「なら、これは作るのやめよう」と、どんどん省いていった感じだった。

祐真 バンバン、省いていったよね。

――服が大好きなふたりだからこその阿吽の呼吸だったんですね。

祐真 そうね。本当に慎吾ちゃんは、服をすごく買っているからね。

香取 そうなの。服を買い過ぎて、家に入りきらないんじゃないかってよく言われるんですけど。だから、もう家を買わなきゃいけないところまできてます(笑)。案外これ冗談じゃなくて、本当にそうしないと。服は処分できないから。僕のコレクションであり、アーカイブだから(笑)。最近は、僕が持っているものがヴィンテージショップで売られたりしてて、これってヴィンテージって言うの?みたいなこともある。

祐真 90年代のハイブランドのものとか、そういう類の店に行くと、ヴィンテージって言って売っているからね。実は、うちも近々リノベーションするんだけど。それに併せて、家族から服を整理しろっていう、無言の圧力をかけられている最中で。俺はいま、それがいちばん憂鬱。このあたりの塊はどうするの?みたいなね。本当に捨てられない。

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――ふたりが所有するお宝を、ショップで売ってみるのはどうでしょう?

香取 飾りたいものはたくさんあるけど……。売るとなると話は別(笑)。

祐真 うん、飾りたいものはある。売りたくはない(笑)。

香取 そういえば、この間、ジェレミー・スコットのぬいぐるみ付きスニーカーで、パンダのデザインを持ってるから、シャンシャンがブームだし、履こうと思って倉庫から出したんだけど。結局、履かなかったな。また倉庫に戻した(笑)。

――服を作る工程で楽しかったのは、どんなことですか?

香取 いやー、どれも楽しかったな。実際に工場にも行ったりして。

祐真 今回、慎吾ちゃんに描いてもらった絵をリバーシブルコートの一面にプリントする案を出したんだけど。それって生産者側からすると、えっ、そんなの本気?みたいな無謀なことでもあるんですよ。同じ絵でも、ウールやシルクに転載することで見え方が変わってくるし。業界的にはタブー視されがちなことなんですが、それをぶっちぎってやってしまった。ほかにも、コートの丈が長いから折り返してボタンで留めるかってな感じで、案を出したりもして。そんな提案に、生産者側もびっくりですよ(笑)。でもそれでいいからと、やってみたことで新鮮なものができたと思う。

香取 使う生地によって僕の絵の色味が変わってしまうっていうのを、生産者はすごく気にかけてくれるんだけど、「全然、いいです!」みたいな。さらに「ほかの生地も使うと原画とすべて色が異なってしまいますけど」って、心配されました。僕は「いいですね、全部変わっていい!それがおもしろい」って(笑)。

祐真 そんな風に遊び心を持ってクリエイションに挑んだわけですが、今回たまたまご一緒したのが「サンヨー」や「ボルサリーノ」のような老舗ブランドで、それもよかったなと思っています。デニムも岡山の老舗の工場のような技術がしっかりしているところと組めてよかったですね。

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手元の生地は、「サンヨー」のリバーシブルコートの一面に使用した香取慎吾のアートプリント。

――今回訪ねた服の工場で、新しい発見はありましたか?

香取 いっぱいあったね。「サンヨー」の青森にあるコートの工場はすごかった。

祐真 職人さんたちがいっぱいいて、すべて分業なんです。100人くらいの職人さんの手を経て、1着のコートができ上がる。すごくびっくりしましたね。ボタン付けひとつでも「サンヨー」ならではの、ものすごい技があるんですよ。

香取 コートを作るために、会議室でいろいろ話しました。ここをこうしたい、もっとこうならないか、みたいな要望を出したら、僕らのアイデアを受け入れてくれて。話がまとまった後に、実際に工場に行ったんです。その時に、あー、僕らこんなに難しいことをお願いしてたんだ、あんなこと言ってすみません……みたいな気持ちになりました。

祐真 そうそう。だから工場に行くのは、最後にして正解だったんだよ(笑)。

香取 本当に、そう。最初に工場に行っていたら、あんな要望は出せなかったよね。もっと言えなくなっていたと思う。でも「サンヨー」からは、次回からもどんどんリクエストしてほしいって言われたんだよね。ハードルが高ければ高いほど、職人たちの腕が鳴るんでって言われました。さすがです。

祐真 これまで見たことのない機械に触れたり、技術を知ったりして、もっとこんなこともできるかな、と、考えが広がったよね。

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実際に工場まで足を運び、職人の技術に触れアイデアを広げたふたり。

――今回、コートやバッグに使った生地パターンを香取さんが描かれたんですよね。

香取 『その先へ』はこのコレクションのために描き、もうひとつの『一笑懸命』は元からあった作品を再構築しました。まず、この企画のために『その先へ』を描いたんだけど、どうも納得がいかず、どうしようかと悩んだ時に、僕が前に描いて自分のアトリエに飾っていた絵が目に留まって。これ、もう一度上から描き足してみようかなって。で、壁から外して塗ってみたんです。両方を打ち合わせに持って行ったら、祐さんが「いいじゃん、両方使おうよ」って言ってくれて。コートに『一笑懸命』を、デニムに『その先へ』を使うことになりました。

祐真 まず始めに、コートの裏地に慎吾ちゃんの絵を使いたくて。「描ける?」って聞いたら描いてきてくれたんだけど、ふたつの作品を持って来てくれたから、コート以外のアイテムにも使おうかなって。グリーンを使った『その先へ』はデニムと合うよね、って話に。

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膨大な色見本から、時間をかけてじっくり選んでいく。

――「ヤンチェ_オンテンバール」を通して、ライフスタイルの提案なども考えているのでしょうか?

香取 ライフスタイルの提案は、まったく考えてないですね。ゼロ! 本当に作る過程が楽しくて、皆さんの力を借りて100%納得のいくものができたから。気に入って着てもらえたらな、お店に足を運んでほしいな、と。直球な思いだけで、ライフスタイルの提案はないですね(笑)。

祐真 お店に来てくれたお客さんには、未体験のものを味わってほしい。そのためにどうしたらいいか、しか考えてないから、ライフスタイルの提案はないね。自分がこんな仕事をしていて、いまさらボヤいちゃうのもなんだけど。嫌いなの、ライフスタイルとか提案されるの。俺の勝手でしょって思っているから、すごく嫌なの。この何年と、すごく多いでしょ、そういうの。いい情報もたくさんあるけど、僕は、ファッションとライフスタイルをくっつけるのは、いまひとつ好きじゃないですね。なぜかっていうと、みんなが同じようなものを着るような、ファッションが全体主義になっちゃうと、すごくつまらないと思うから。ファッションって自由なはずだし、遊びがあっていいわけで。今回この企画で服を作ってみて、よりいっそう、そう考えるようになってきた。だから、ありえないような服がたくさん完成してすごくよかったなと思っているし、楽しかった。こんなことアリ?みたいなことばっかりやっているのにね。楽しかったです。

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――香取さんは、レディスも好きだそうですね。

香取 そうですね。今回、女性の服を作るのがとても楽しかった。レディスはもともと好きなんだけど、本当にちゃんと好きなんだな、と、確信したというか。「ステア」の打ち合わせで、レディスのデザインの話をしている時が、僕、いちばんテンションが高かったと思う。このデザインだと少し着にくいんじゃないか、とか意見を出したりもして。

祐真 そうだね。「レディスの場合、首が空いた服の方が着やすいんじゃない」とか言ってたね。慎吾ちゃんの的を得た意見に、僕もドキッとしたよ。着る女性のことをしっかり考えていたよね。

香取 レディスへの思いは、実はすごくあって。僕、若い頃から髪型をすごく変えていたんですよ。最近は少し変わってきたけど、昔って男の子はほとんど髪をいじれなかったじゃない。女の子の場合は、すごくチョイスがあるのに。だから僕は、髪をいろいろな色に染めたり、女の子のようにさまざまなことにトライしたかった。で、洋服もレディスはいっぱい可愛いものがあるのに、メンズはつまらないな、と思ってた。それで、レディスをすごく追い求めていた自分がいて。レディスに負けず、メンズのファッションを楽しむぞ!っていう気持ちがあったから、レディスの服はよくチェックしていたんです。

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試着して着心地をチェックしたり、服好きならではの視点でデザインを追求する香取慎吾。

――ブランド名の由来もそうですが、香取さんは気になった言葉をいつもメモしているとか。

香取 そうですね、携帯電話でメモをとっています。ライブの演出をした時も、こんなことやりたいって考えを、すべて携帯電話にメモしてましたよ。ブランドを始めてからは、このデザイナーと何かやってみたいなとか、そんなことも書きとめたり。それで実は、フィガロジャポンの定期購読も申し込みました。ブランドを始めるにあたってね。インターネットでも情報は集められるけど、必要ない情報まで入ってきて時間を浪費してしまうところがあるでしょ。でも雑誌には、選び抜いてくれた精度の高い情報がある。それに改めて気づいたんです。だから、これからショップやブランドをやっていく上で、これまでのようにインターネットでのリサーチも必要だけど、毎月届く雑誌を読むのも勉強かな、と。もともと雑誌は大好きなんだけど、だんだん読まなくなってしまっていた。雑誌って、インターネットでは辿り着けないような、それほど興味がない情報も見せてくれる。特に、フィガロジャポンのマップ付き旅特集が大好きで、昔のものも残してあります。パリに行った時は、フィガロジャポンのマップを一緒に行く友達の分までカラーコピーして、みんなに配った。フィガロジャポンで知ったパリもいっぱいある。これからは、いろいろなところから吸収したものを「ヤンチェ_オンテンバール」に投影していけたらいいな。僕にとって、このブランドは、初めて楽しみながらアイデアを吐き出せるところだから。最近、僕、映画を撮ってたんだけど。その現場で、スタッフの女の子のコーディネートを観察してて。おしゃれするところじゃない、現場のリアルクローズというか。そんな働く場で、女の子はどんなおしゃれをするんだろう?って興味があった。撮影現場にいる女の子たちって、動きやすいファッションなのに、おしゃれにも気を遣っているんですよ。

祐真 それは、カメラのアシスタントさんとか、アシスタントディレクターさんとか? ああゆう現場は、殺伐としてるからね。

香取 そうだね。男だったら動きやすさ重視でいいんだけど。女の子は、スニーカーやパンツでも、ちょっとデザイン性があるようなものを身に着けている。作業に影響のない程度に抑えているけど、本当はもっとおしゃれしたいという心理が見える。そんなニッチなところを観察してるの(笑)。

――最後に「ヤンチェ_オンテンバール」をふたりでやることの意義を教えてください。

祐真 ふたりだからこそ、できることはあると思う。これまでになかった、何かができたらいいかな、と。たとえば、これまで服に興味のなかった人たちに関心を持ってもらうとか、そんな風な動きになれば理想だなと思うね。

香取 そうだね。そもそも祐さんと一緒じゃないとやってないですもん、はじめから。

祐真 まずは、お店。そこに来てもらって楽しんでもらえるか。あそこに行けば、何かおもしろいものがあるんじゃないか、って思ってもらえる場所にしないと。そういう店を目指しています。

JANTJE_ONTEMBAAR ヤンチェ_オンテンバール
東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテルプラザ東京1F
tel:03-6812-7106
営)11時~19時 無休
http://j-o.tokyo

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photos : SAKI OMI (io), stylisme : TOMOKI SUKEZANE, coiffure et maquillage : TATSUYA ISHIZAKI, coiffure : HIRO TSUKUI (Perle Management), maquillage : RIKA (A.K.A)

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