フィガロが選ぶ、今月の5冊 山崎ナオコーラが描く、まったく新しい姉妹像。

Culture 2018.10.09

こんな家族があってもいい、偽姉妹というユートピア。

『偽姉妹』

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山崎ナオコーラ著 中央公論新社刊 ¥1,836

離婚して、1歳の息子を抱える正子は、姉の衿子と妹の園子と同居中。宝くじの当選金で建てた「屋根だけの家」に正子の友人、百夜とあぐりがやってくる。実姉妹解散を宣言して、百夜とあぐりという偽姉妹と暮らし始める正子。彼女たちが始める「姉妹喫茶店」というネーミングも、偽物ならではの魅力。既存の関係性に風穴を開けてきた作家が、血縁によらない家族、女同士のユニットによる新しいユートピアを描いた実験的作品でシャッフルしてみせるのは「姉妹」だけではない。夫婦、恋愛、お金、当たり前だと思っていた価値観を揺さぶられる新・家族小説。

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*「フィガロジャポン」2018年10月号より抜粋

réalisation : HARUMI TAKI

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