フィガロが選ぶ、今月の5冊 吉本ばななが、食べることを通して綴る、家族について。

Culture 2018.11.30

誰かとごはんを食べること、そして家族になること。

『切なくそして幸せな、タピオカの夢』

1810xx-livre-02.jpg

吉本ばなな著 スーピー・タン絵 幻冬舎刊 ¥1,620

他人同士が家族になるというのは、考えてみれば、不思議なことだ。食べることを通して、恋愛、結婚、出産、家族という人生の営みが語られていく。『キッチン』 でデビューしてから30年。短いエッセイの中に、著者自身も親になり両親を看取ったいまだからこそ見えてくる、日常の中にある愛おしい瞬間が詰まっている。この本は、台湾で先行出版された。日本より先に外国で本が出るのは著者にとっても初めてのこと。台湾の画家スーピー・タンの温かな色彩にあふれた挿絵も魅力的で大切な人への贈り物にしたくなる。

【関連記事】
柴崎友香が東出昌大を文学小説にキャスティングした『つかのまのこと』。
写真家高橋ヨーコが撮り続ける、白一色の極寒の風景。

*「フィガロジャポン」2018年11月号より抜粋

réalisation : HARUMI TAKI

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories