パルファンとオー・ド・トワレの違いとは?

Culture 2018.12.21

クリスマスも目前。プレゼントには香水が最適と考えている人も多いだろう。しかし香水といっても、オー・ド・トワレにすべきか、あるいはオー・デ・コロンのほうがいいのか……。それぞれの違いをふたりの専門家が解説する。

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ひと口に香水といっても、成分によっていくつもの呼称がある。photo:iStock

エキストレ、オー・ド・トワレ、オー・ド・パルファン、オー・デ・コロン……何を選んだらいいかわからず、店頭で途方に暮れているあなた。こうなったらもう、直感と値段で選ぶしかない? 

「結局は濃縮度、つまりアルコールに溶けている香料の濃度の問題です」と説明するのは、香水メーカー「メゾン・ニコライ」の創業者で、調香師兼フレグランスクリエイターのパトリシア・ドゥ・ニコライだ。「純度100%の香料は、油のような粘度のある液体です。香料はアルコールと混ぜないと揮発しません」。

香水ブランド各社はこのふたつの成分を任意に配合して――配合比率についての規定は存在しない――香水を製造する。そのため、拡散性も香りの強さもブランドごとに異なる。

最も濃度の高いパルファン。

香料の濃度が最も高いのがパルファンだ。エキストレ、エッセンスとも呼ばれる。ティエリー・ワッサーがディレクターを務めるゲランの香水部門で、開発チームに加わる香水判定士ペギー・プロワはこう言う。「エキストレは一般的に思われているのとは違い、香りは強くありません。むしろ付け方はセンシュアル。数滴つければ一日中香りが持続しますが、拡散性はそれほど高くありません」。市場に多く出回っていないエクストレは、他のタイプの香水に比べて値段も高価だ。

その次に濃度が高いのが、オー・ド・パルファン。パルファンに比べてアルコールの量が多いため、香りがより広がりやすい。持続性、拡散性ともに優れているとプロワは評価する。「ミドルノートがしっかりと香る、リッチな香水です」。ニコライによると、オー・ド・パルファンの香料濃度は13~22%だという。

より軽いオー・ド・トワレ。

最も混同しやすいのは、オー・ド・パルファンとオー・ド・トワレだろう。ニコライは両者をこのように比較する。「オー・ド・トワレのほうがより軽くて、持続時間も短めです。オー・ド・パルファンに比べて印象も軽い」。こうした特徴から、オー・ド・トワレを夏用の香水として使う人もいる。同氏によると、オー・ド・トワレの香料濃度は5~12%だ。

香水の種類として最後に挙げるのは、オー・デ・コロン。香料濃度は3%程度。「オー・デ・コロンには、ボトムノートがなく、香りが肌に定着しません。さわやかさが特徴なので、朝、気分をフレッシュにしたい時などにつけるといいでしょう」とプロワはアドバイスする。

オー・フレッシュ、ソワ・ド・パルファンなどといった呼称も目にするが、プロワによると、「こうした呼び方の多くは、オー・ド・トワレやオー・ド・パルファンのことを言い換えたマーケティング用語です」。というわけで、上述の4種類の香水の違いをおさえておけば十分。

プレゼントを選ぶ時にはまず、相手がどんなタイプの香水を望んでいるかを考えてみよう。あとは香りを選ぶだけ。ムスク系か、フローラルか、甘い香りか……。贈る相手のことを考えながらの香水探し、じっくり楽しんで!

texte:Julia Avellaneda (madame.lefigaro.fr)

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