フィガロが選ぶ、今月の5冊 愛する人の日常を写したラブストーリーのような写真集。
Culture 2018.12.27
愛の始まりから終わりまで、ユニークで愛おしい写真集。
『DREAM AWAY by Michael Northrup』
マイケル・ノースラップ写真 STANLEY/BARKER刊 ¥6,264
被写体の女性は、いつもどこかおどけている。まるで失敗写真のような目を閉じた表情や顔が見えないアングル。ユニークな日常の一瞬一瞬は、親密な相手にしか見せない打ち解けた姿だ。「私と彼女は 1976年に出会い、78年に結婚して88年に離婚した。彼女は妻であり私のミューズであった」。アメリカの写真家マイケル・ノースラップの作品集は、愛の始まりから終わりまでを記録したドキュメントになっている。たわいない記憶ほど、愛おしく思えてくるのはなぜだろう。オフビートなラブストーリーのような一冊だ。
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*「フィガロジャポン」2018年11月号より抜粋
réalisation : HARUMI TAKI