フィガロが選ぶ、今月の5冊 「私」の現在地を描き出す、最果タヒ待望の新作詩集。

Culture 2018.12.29

時代に新風を吹き込んだ、詩人が描き出す現在地。

『天国と、とてつもない暇』

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最果タヒ著 小学館刊 ¥1,296

モノがあふれ、情報があふれ、「自由でいること」と「何かを選ぶこと」がまるで同じことのように思えてしまう時、それを選んだのはまぎれもなく「私」だとどうしたら言えるのか。手に入れることと失うこと、愛と優しさ、ふたりでいることと孤独になること、常にアンビバレントな感覚に引き裂かれている時にだけ掴まえられる微かな実感を頼りに、「世界」との境界線を往きつ戻りつする。最果タヒの詩は「私」の現在地を描き出す。『死んでしまう系のぼくらに』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『愛の縫い目はここ』の3部作で、時代を切り拓いた詩人の最新詩集。

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*「フィガロジャポン」2018年12月号より抜粋

réalisation : HARUMI TAKI

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