things to do 2019 ボヘミアン・ラプソディに続け! 2019年は音楽映画が豊作です。
Culture 2019.01.20
スクリーンを観ながら歌って、踊ろう!
いま、音楽がいい映画がくれるカタルシスに酔いたい!
『ボヘミアン・ラプソディ』のヒットに続き、見逃せない音楽映画が2019年も豊作だ。
コーラス効果に凝る『ボヘミアン・ラプソディ』の制作シーンは、『Tommy / トミー』や『ジーザス・クライスト・スーパースター』が先鞭をつけた70年代のロックオペラの隆盛を思い出させる。楽曲の壮麗さ、シュールな装飾性、過剰なまでの感情のうねり。『アリー/スター誕生』のアリーは、自作曲のワンフレーズを駐車場で恩師に披露。コンサートでの即興デュエットとなり、アリー人気急騰までの流れは、ミュージカルが育んできた躍動の話術そのものだ。名作発掘路線の真打ち『メリー・ポピンズ リターンズ』は、あの煙突掃除人の屋根のダンスに代わり、古都ロンドンのガス灯と広場の大群舞シーンで魅了する。役の感情を乗せながら、歌やダンスが劇場から世界へ、生の根源の喜びを波及させる。旧きを訪ねたそんな音楽劇の興趣が、老若問わない身体表現ブームの日本で、いま真新しいものとして受容されている。鬼才バートンの実写版『ダンボ』が控えた春まで、見逃せない作品は続く。
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01. 人気キャラを脂の乗った女優が熱演。
『メリー・ポピンズ リターンズ』
あの名作ミュージカルの子が親になり、家族の危機に臨んでエミリー・ブラントのメリーが空から舞い降りる。シャーマン兄弟の佳曲群のフレーズが要所で浮上しては消える懐かしさ。新旧ファンも納得の出来ばえ。
監督/ロブ・マーシャル
出演/エミリー・ブラント、リン=マニュエル・ミランダ、ベン・ウィショー、エミリー・モーティマー
2018年、アメリカ映画 131分
配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン
2月1日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開
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02. 劇場大合唱を生んだ久々の傑作。
『ボヘミアン・ラプソディ』
父との確執、バンド参加、栄光と衰退から再起へ。クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの生涯を性的少数派の苦悩を共有するB・シンガー監督が映画化。6分に及ぶ表題曲の異例のシングルカットなど秘話も。
監督/ブライアン・シンガー
出演/ラミ・マレック、ルーシー・ボイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョセフ・マッゼロ
2018年、イギリス・アメリカ映画 135分
配給/20世紀フォックス映画
一部劇場にて公開中
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03.ファンタジーの巨匠が放つ待望の実写版!
『ダンボ』
ディズニー名作アニメはどれも優れてミュージカル調。大耳の子象の冒険譚『ダンボ』の実写化に、秀作ファンタジー『ビッグ・フィッシュ』に加え、異色ミュージカルの実績もあるバートンが腕を振るう。期待大!
監督/ティム・バートン
出演/コリン・ファレル、マイケル・キートン、エヴァ・グリーン
2019年、アメリカ映画
配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン
3月29日より、全国にて公開
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04.定番の物語を新時代シンガーで。
『アリー / スター誕生』
歌手志望で下働きのアリーは先輩ミュージシャンに見いだされスター街道を驀進。窮地の恩人に愛を捧げる。女優レディー・ガガの本気が結晶。1954年のガーランド主演『スタア誕生』はミュージカルの宝石箱的傑作。
監督・出演/ブラッドリー・クーパー
出演/レディー・ガガ、アンドリュー・ダイス・クレイ
2018年、アメリカ映画 136分
配給/ワーナー・ブラザーズ映画
一部劇場にて公開中
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texte:TAKASHI GOTO