史実と現代のヨーロッパが重なる、いま観たい野心作。

特集

あえて現在の街でロケして、大戦下の劇を今日性へと開く。

『未来を乗り換えた男』

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元レジスタンスの青年が船で国外脱出を図る。港の街マルセイユに逗留中、黒いコートの女マリーと青年は懇意になる。脱出のため彼がなりすました亡命作家の妻とも知らず。パリでの自殺を知らぬまま、作家の夫を待ち続けるマリーは、青年にとって「宿命の女」。宿命の女は恋の相手を破滅に導くのが定石だが、それを変奏した終幕の余韻が胸をえぐる。ナチス占領下のフランスの話なのに、いまの街を背景にして「不寛容な時代」の過去と現在を相照らす演出のもくろみも利いている。

『未来を乗り換えた男』
監督・脚本/クリスティアン・ペッツォルト
2018年、ドイツ・フランス映画 102分
配給/アルバトロス・フィルム
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中
http://transit-movie.com

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*「フィガロジャポン」2019年2月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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