見た目を重視しすぎる社会に、反旗を翻す韓国女性たち。

特集

「Escape the Corset」という名のフェミニズム運動が韓国女性の間に広まり、フランスでも話題になっている。整形や化粧から自らを「解放」し、長い髪の毛をばっさり切る女性たちがたくさん現れている。彼女たちの目的は? 韓国社会に蔓延する、過度の外見偏重主義からの解放に他ならない。

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ソウルでは街のあちこちに、美容整形クリニックの広告が掲示されている。©Alamy Stock Photo/amanaimages

韓国で芽生えたフェミニズム意識は一向に衰える気配がない。昨年の夏以降、社会に押しつけられる美の基準に「ノー」をつきつける韓国女性が増えている。彼女たちが参加するのが、女性団体によって立ち上げられたフェミニズム運動「Escape the Corset(コルセットから逃れよう)」だ。1年間の手術件数が約100万件にのぼる、世界一美容整形が普及する国で、作られた美に反旗を翻す女性たちが日に日に増えている。

なかには自分で髪の毛を切り、髪をカットする様子を撮影したスライドショーをネット上で配信する女性たちもいる。彼女たちの間では、マッシュルームカットが運動への賛同の証となっている。

この運動の中心人物のひとりが、ユーチューバーのリナ・べ(Lina Bae)だ。彼女が昨年6月に投稿した「私はきれいではない」と題された動画は、閲覧回数が670万回を超えた。動画では、カメラに真正面に向かったリナが化粧をする様子が映されている。仕上がると、今度は化粧を落としていく。画面には同時に、これまでに彼女の元に届いた彼女自身の外見についての心ないコメントが表示される。21歳のリナは、昨年12月のBBCのインタビューでこう訴えている。「韓国女性の多くが、見た目というコルセットに縛られていると思います。人が自分の顔を見てどう思うかということを、ひどく気にしているのです」

韓国の女性たちにとって、この数年間は決定的な意味を持っている。すべての引き金となったのは、2016年に起きたある殺人事件だ。ソウルの地下鉄駅で、23歳の女性が34歳の男に殺害される事件が起きた。男は犯行の動機を、それまでずっと「女性に蔑まれてきたため」と釈明した。英字新聞『コリア・ヘラルド』のサイトに掲載された記事によると、地下鉄の駅は現在追悼の場となっており、「女性だからという理由で殺されるなんてあってはならない」といったメッセージが掲げられているという。

事態が加速したのは、#MeToo運動が盛り上がりを見せた2018年だ。4月、女性キャスターが意を決してメガネをかけてテレビに出演。一見なんでもない行為のようだが、女性の大半がコンタクトレンズを使用する国では、そうではない。同じ時期に、複数の市民団体が美容整形に反対するデモを行った。韓国女性たちは、こうした非現実的な美の基準に「ノー」を唱えるだけでなく、増加しつつある性差別的行為とも闘う姿勢を見せている。5月には、盗撮によるポルノ画像が横行する現状に対して、政府に措置を求めるデモがソウル各地で行われた。

韓国は世界経済フォーラムが発表した男女格差ランキングで149カ国中115位。同時多発的に起こっている運動は、韓国社会にどんな変化を起こすだろうか。

texte : Julia Avellaneda (madame.lefigaro.fr)

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