イーストウッド監督・主演、90歳の老人が運び屋に!?

Culture 2019.04.06

危難続きのお茶目な爺さんが、疎遠な家族への「償い」に赴く。

『運び屋』

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傑作『グラン・トリノ』以来10年ぶりにイーストウッドが自らの監督作に主演。主人公が一徹な退役軍人というのが両作の共通項だ。ただし、新作のアールは1年で1日だけ花開くユリ「デイリリー」を丹精して育てる園芸家で、人好きがして愛嬌がある。ひょこひょこ歩きの好々爺がネット商法に乗り遅れて破産し、運び屋稼業に。始めは鼻唄混じりの運転がお尋ね者の危機に陥るサスペンス。それが不和だった家族への償いの物語に分岐する。緩急自在の作劇の妙! 人の世の機微に通じた気負いのなさとユーモアがたまらない。

『運び屋』
監督/クリント・イーストウッド
2018年、アメリカ映画 116分
配給/ワーナー・ブラザース映画
新宿ピカデリーほか全国にて公開中
http://wwws.warnerbros.co.jp/hakobiyamovie

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*「フィガロジャポン」2019年4月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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