フィガロが選ぶ、今月の5冊 エルメスのカレが、ポップアップブックに!
Culture 2019.05.04
エルメスのカレの世界観を、かたちにした飛び出す絵本。
『Hermès Pop-Up』
Patrick Thomas、Stéphane Foenkinos著 Actes Sud刊 ¥5,076
エルメスの2018年のテーマ「Let's Play」を記念した、遊び心あふれる一冊が登場。本の判型としては珍しい正方形なのは、メゾンを代表するシルクのスカーフ「カレ」がモチーフだから。歴代1500作以上の中から14作を選び、カラフルなポップアップブック(飛び出す絵本)に仕立てた。第1作が発表されたのは1937年。天高く駆けあがる「ゼブラ=ペガサス」(2014年)で始まる物語は、馬具から出発したこのメゾンの歴史を思い起こさせる。細部まで精緻に描き込まれた「カレ」の世界観、1枚の布に込められた豊穣なインスピレーションに、あらためて触れてみたい。
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*「フィガロジャポン」2019年4月号より抜粋
réalisation : HARUMI TAKI