立田敦子のカンヌ映画祭レポート2019 #07 【カンヌ映画祭】イザベル・ユペール、今年も大物女優の存在感!

Culture 2019.05.22

カンヌ7日目。今年は雨も多いけれど気温も低く、コートやライトダウンなどを着込んでいる人も多いようです。週末を越して、マーケットも落ち着き、配給会社やセラーも帰り始めるので、カンヌの街は静かになってきています。

けれど、映画祭自体はまだ折り返し点。今日のコンペは2本です。すでに2度のパルムドールに輝いているベルギーの巨匠ダルデンヌ兄弟の『Young Ahmed』(英題)と米国のアイラ・サックスがポルトガルで撮った『Frankie』(原題)。『Frankie』(原題)は、死期を宣告された女優が、世界遺産にもなっているポルトガルのシントラという町を最後のヴァカンスで訪れ、そこで夫や元夫、息子、友人らと過ごす時間を描く。イザベル・ユペールの個性を生かした、コミカルな演出のいっぽう、しんみりと人生を感じさせる作品でもあります。

190522-9098fd59c4f1d5a1631f4d4c80727dff.jpgベルギーの巨匠ダルデンヌ兄弟の『Young Ahmed』(英題)。

190522-2.jpgイザベル・ユペールが死期を宣告された女優を演じる『Frankie』(英題)。

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イザベル・ユペールにインタビュー!

スクリーニングに続いて、イザベル・ユペールにインタビュー。66歳にして主演作が絶えませんが、「女優という仕事なのだから、興味のある仕事をやっているだけ。常にプロジェクトはあるけれど、休みなく働いているわけではないわ」、「カンヌにはこれまで22作品がコンペに出ていて、それ以上は来ているわね。レッドカーペットを歩いたり、取材を受けたりするのは女優の仕事の一部だから」と余裕の答え。かつてはクールで取材でもあまり笑わないことで有名で、ジャーナリストの間では難しい女優のひとりとして名前が上がっていましたが、近年はとてもリラックスして、おおらかに質問にも答えてくれるようになった気がします。今回もユーモアたっぷりでとてもいい感じ!

190522-GettyImages-1150697486.jpgFrankie』(英題)の公式上映に登場したイザベル・ユペール。©Getty Images

また、『A Hiden Life』の記者会見がありましたが、残念ながらテレンス・マリック監督は欠席。カンヌのコンペ出品は基本的に監督の出席がマストなのですが、公に姿をほとんど現さず、影武者疑惑まで飛び交うテレンス・マリックはいつも例外。2017年のSXSWで『ソング・トゥ・ソング』(2017年)が上映された時にはトークイベントにも出演していたので、今年は来るのでは?と期待していたのですが、やはり欠席でした。

映画ジャーナリスト 立田敦子
大学在学中に編集・ライターとして活動し、『フィガロジャポン』の他、『GQ JAPAN』『すばる』『キネマ旬報』など、さまざまなジャンルの媒体で活躍。セレブリティへのインタビュー取材も多く、その数は年間200人以上とか。カンヌ映画祭には毎年出席し、独自の視点でレポートを発信している。

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