平等な国デンマークに、フェミニストは少ない?

特集

イギリスの調査によると、デンマークではわずか6人にひとりがフェミニストである。これは調査対象の23カ国中、最下位という結果だ。男女平等な国の代表でも、明らかに人々のメンタリティはまだまだ発展途上のようだ。

190524_au-danemark-legalite-de-genre-se-vit-mais-ne-se-dit-pas.jpg

しばしば男女平等な国の代表として名前の挙がるデンマークだが、フェミニストはわずか6人にひとりと少ないため、フェミニストの国と呼ばれるにはふさわしくない。Photo: iStock

スカンジナビア諸国の最後のパラドックスはデンマークである。デンマークは男女平等な国の代表として名前がよく挙がるが、デンマーク人の6人にひとりしか自らをフェミニストと見なしておらず、デンマーク女性においても4人にひとりだけがフェミニストである。これらは英調査会社ユーガブ、英ケンブリッジ大学、英大手新聞の「ガーディアン」が共同で23カ国、2万5,000人を対象に行なった調査結果である。デンマークは先進国中、フェミニスト人口の最も少ない国のひとつである。

デンマークが職業や給与格差の少ない代表的な国であること、また子どもがいる人は皆、保育サービスを受けられる国であることを考えれば、驚くべき結果である。

しかし、デンマーク人はフェミニストを公言するというよりも日常的にフェミニズムと共存している。「デンマークではフェミニズムは必要ではないし、自分たちはフェミニストではないという意見をしばしば耳にします。しかし実際のところは、フェミニストな意見や物事はとても一般的です」とデジタルメディア「refinery29」はデンマーク人学生による意見を引用した。

波風を立てない

その背景にデンマークの元々の文化があることを指摘する人々もいる。「refinery29」がインタビューした社会学者のシリ・ヨニナ・イーイゼ氏によると、デンマーク人は文化に反することをとても恐れるという。

「デンマークの政治家や一般人は頻繁に、性別や肌の色、性的マイノリティ、そのほかの社会的弱者にしっかりと耳を傾けて配慮しなければ、問題解決はできないと訴えているのをよく耳にします。たとえば、フェミニストと公言することは極端な立場をとっていると誤って見なされるのです」

前首相のカレン・エルマン氏は2015年に任命された際、自分自身をフェミニストだと思っていないと発言している。

このコンセンサス文化は調査のもうひとつの結果を明らかにした。「#MeToo」運動に対して、男性の4%と女性の8%だけが"大いに賛成"と回答している。一方、デンマーク人の5人にふたりはこれについて否定的な考えだ。

ガーディアンが引用した、コミュニケーションの専門家リッケ・アンドリーセン氏による意見によれば、デンマーク人は、たとえセクシュアルハラスメントとも受け止められかねない発言であっても、善意によるものであれば許す傾向があるという。

「デンマークには、意図していなければ、人種差別や性差別とは見なさないという文化があります。ジョークであれば性的な発言や行動も許されることもあります。文化的にそんなに悪いことではないと認識されているのです」と同氏は述べる。

これは事実なのだろうか。実際、デンマーク人の3人にひとりは、路上で(男性から)口笛を吹かれるのは容認できると考えている。この数字はフェミニストだと公言している人数に比較しても多い。

【関連記事】
東京とニューヨークで違う、母という生き方について。
世界を揺るがすセクハラ問題、フランスでの反応は?

texte : Sofiane Zaizoune (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

RELATED CONTENTS

BRAND SPECIAL

    BRAND NEWS

      • NEW
      • WEEKLY RANKING
      SEE MORE

      RECOMMENDED

      WHAT'S NEW

      LATEST BLOG

      FIGARO Japon

      FIGARO Japon

      madame FIGARO.jpではサイトの最新情報をはじめ、雑誌「フィガロジャポン」最新号のご案内などの情報を毎月5日と20日にメールマガジンでお届けいたします。