カナダのブッカー賞候補作家による、愛すべき短編集。
Culture 2019.07.11
時を経て、記憶の断片が輝き出す。
『すべての愛しい幽霊たち』
アリソン・マクラウド著 高山祥子訳 東京創元社刊 ¥2,376
彼女にとって16歳だったあの頃といまの隔たりを語ろうとすれば、ダイアナ妃に対する憧れとその死を語ることになる(「ダイアナを夢見て:十二フレーム」)。聖戦の連絡を待つイスラムの青年たちにとって、ブライトンの水族館で過ごしたまぶしい一日はいつか忘れがたいものになるのだろうか(「ラディカル・フィッシュを褒めたたえて」)。記憶は不思議だ。思いがけない断片が時を経て語りかけてくる。ブッカー賞候補になったカナダの作家による12の短編。
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*「フィガロジャポン」2019年7月号より抜粋
réalisation : HARUMI TAKI
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